■Roland Bock vs. XXX(1)
ネットで見つけたローラン・ボックの試合ビデオ。対戦相手がわからなかったので、動画をドイツのプロレスファン・コミュニティに送って、対戦相手が誰なのかを検討してもらいました。多くの人に見ていただきましたが、古いビデオなので、なかなか選手名を特定するのは難しいようでした。しかし、それぞれ2件ほど回答をいただきました。
XXX(1)のローラン・ボックの対戦相手は、「ジャック・ローランズ(Jack Rowlands)」ということです。確信があるような断定的な回答でした。全く知らないレスラーでしたので、早速検索してみると、なるほど顔や雰囲気、別の試合映像などと比較検討すると間違いなさそうです。
■ジャック・ローランズ(Jack Rowlands)
https://www.youtube.com/watch?v=941-UXHOW-oより
さて、ジャック・ローランズとはどのようなレスラーなのでしょうか?
検索しても情報は少なめでしたが、1960年代後半から1970年代に主にイギリスで、プロレスラーとして活躍していた選手のようです。別名「ボー・ジャック(Beau Jack)」。マンチェスターでプロレスの訓練を受け、ランカシャー南部、ヨークシャーの独立系プロモーションでプロレスのリングに上がっていたそうです。
■ジャック・ローランズ(Jack Rowlands)
https://www.youtube.com/watch?v=941-UXHOW-oより
ジャック・ローランズが、1974年7月にドイツのグストル・カイザー(Gustl Kaiser)が主催するIBV(ドイツ国際プロレス協会)のリングに上がっているリーフレットが残されていました。また、1974年9月~10月にかけて同プロモーションに参加していた試合記録も見つかりました。トーナメントの参加メンバーにローラン・ボックの名前もあります。ボックがカイザーのプロモーションに参戦したのは非常に短期間だったことから、このXXX(1)のビデオのローラン・ボックの対戦相手がジャック・ローランズだとすれば、このビデオは1974年のものだと思われます。
■1974年7月27日 IBV主催大会
ジャック・ローランズの試合映像は、Youtubeにジャイアント・ヘイスタックス(Giant Haystacks)戦、ジョニー・キンケイド(Johnny Kincaid)戦、などいくつか残っていました。
■Giant Haystacks vs Beau Jack Rowlands
■Beau Jack Rowlands vs Johnny Kincaid
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そして、XXX(2)のローラン・ボックの対戦相手は、「ジョニー・エル・コルソ(Donjoni El Corso)」という回答をもらいました。
■Roland Bock vs. XXX(2)
ジョニー・エル・コルソは、スペイン・バルセロナ生まれ。体重121kgの巨漢プロレスラーで、リングに上がっていたのは約8年間という短い期間でした。1975年にドイツのプロモーションで闘ったポスターが残っています。ローラン・ボックと対戦しているビデオは、1974~1975年頃の試合だと思われます。エル・コルソはその頃、ドイツのマットに上がっていたようです。1975年のポスターにローラン・ボックの名前はありませんが、同時期にボックと対戦していたことは十分考えられます。
■ローラン・ボックの顔面を踏みつける
■ジョニー・エル・コルソ(Donjoni El Corso)
https://www.facebook.com/profile.php?id=100069852908978より
■1975年10月11日
https://www.facebook.com/profile.php?id=100069852908978より
ローラン・ボックとの対戦映像は、エル・コルソの若い頃の写真とイメージが重なります。キャリア後期は髭を生やしていて、デビュー当時の写真と比べると、ちょっと違った風貌です。ネットで見つけた集合写真で、ミッシェル・ナドール(右から5人目)やジーン・ブレストン(右端)と一緒に写っているものがありました。彼らはローラン・ボックと一緒に仕事をした仲間です。エル・コルソは右から2番目、小さく写っているヒゲのおじさんです。この写真は、エル・コルソのキャリア後期のものです。
■エル・コルソを含む集合写真
https://www.facebook.com/profile.php?id=100069852908978より
エル・コルソはレスラーだった期間が短いからなのか、動画を検索しても1試合だけしか発見できませんでした。クラウス・カウロフとタッグチームを組んで、チャーリー・ベルハルスト組と闘っている1980年頃の試合です。ただ、画質が悪くて何が何だかわかりませんけど。
■Kauroff, Johnny el Corso vs Achim Chall, Charley Verhulst
ということで、顔や動きが似ている、ボックと同じ時期に同じプロモーションのトーナメントに出場していた、などの状況証拠から、ドイツのプロレスマニアからいただいたコメントを信頼して、二つのYoutube動画のタイトルと概要を更新しました。
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※アントニオ猪木に立ちはだかった最強最後の実力者、ローラン・ボック。プロを認めなかった真のストロング戦士であった。日本でもっと大物レスラーとの試合が観かった。 pic.twitter.com/A3Hq2VWA2D
— ゴングの原ちゃん (@GONG1202HARA49) April 22, 2024
「ウィルフレッド・デートリッヒの生涯」
— FavoriteCafe (@CafeFavorites) April 19, 2024
~シュファーシュタットのクレーン~
ほとんどのデートリッヒ・ストーリーでは、プロレスの話はスルーされていますが、珍しく1978年の猪木戦が語られています。約45分のドキュメンタリーです。#猪木欧州ツアー#ローラン・ボックhttps://t.co/7GLvDPjK3X