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「渡月橋、保津川と桂川」
「我が青春に悔い無し、七人の侍」
1975.12.11蔵前国技館、猪木vsロビンソン戦の時期が来たので、I編集長・喫茶店トーク#19の全文を掲載してみました。23年前にサムライTVで放送された「闘いのワンダーランド」から井上義啓氏の解説の書き起こしです。この回はトーク時間が長かったので、超長文になってしまいました。さらにI編集長の口調そのままなので、お好きな方しか読めないかも知れません。
#18、#19、二回連続のオンエアで「猪木vsロビンソン」戦の解説でした。時間が長いのでトークは、時代背景~ドリー戦~嵐山~黒澤明~デルフィン・・・・と話がどんどん広がっています。とても読む時間が無いと思われる方が多いと思いますので、以下に要約してみました。
(I編集長)「猪木vsロビンソン戦というのはね、一回しか行われなかった名勝負なんですよね。2回も3回も行われなかったところが、私にすれば非常に価値があると。これはね、果たして猪木がしゃかりきになって向かっていったんだけれども、ロビンソンのテクニックでね、抗しきれなかったという見方、これはおかしいんじゃないかという猪木弁護士会の会長としての私の言い分なんですよね」
(I編集長)「何回も繰り返しやることによって光るレスラーと、繰り返せば繰り返すほどダメになる対戦カードとね、これは二つがハッキリあるんですよ。たとえば猪木vsシンなんてのはね、もう、30回を越えるんじゃ無いですか。繰り返し20回やろうが30回やろうが、光ってくる顔合わせというのはあるんですよ。これが嵐山あたりで一所懸命考えた結論なんですよ。」
(I編集長)「嵐山と言いますとね、渡月橋(とげつばし)。これを中心にして、上流と下流とに別れてるんですよね。上流から渡月橋までの間を“保津川”と言うんですよ。それで橋の下に堰がしてありましてね、、これを大井川と言うんですよ。その橋の下流の堰から下(しも)のことを“桂川”と言うんですよね」
(I編集長)「私がどこに居るかというと、桂川のはるか下流におるんですよ。それで桂川のはるか下流におるから、こうやって上手を見ますと、向こうに橋が見えて、その下が今言った大井川ですね、そしてその向こうに“保津川”が見えるんですよ。ボートが浮かんでいる、川下りの舟が来るという。おばはん連中が“キャーキャー”言うとるというね。それを下手から“ジーッ”と見てるんですよ。だから私が眺めている目の前の川は間違いなく“桂川”なんですよ」
(I編集長)「プロレスというのは、皆さんが構築して下さいよ、見た人が。だから今日のビデオを見て、『ああ、井上の言ってることは間違いだ。俺はこう思うんだ』『やっぱり一回しかやらなかったのはもったいない』そう思ってる方はね、それでいいんですよ。何べんも言いますけど、それはやっぱり“保津川”ですからね。保津川下り、これを良しとする人はね、それでいいですよ。ただ、桂川の袂で“ジッ”と眺めている男もいると、そういう男もいたという、そういった話をさせてもらおうかなと思って、今日はここにやってきたんですよね」
(I編集長)「日本映画に名作というのがいくつもあるんですよ。みなさんご存じだと思うんですけど。“二十四の瞳”とかね、すぐに思い浮かぶのが“喜びも悲しみも幾年月”ですか、ああいった名作があるんですよね。ところが僕は、日本映画のナンバーワンというのは、黒澤明の“我が青春に悔い無し”だというね。黒澤明の世界というのは他に“生きる”があり、“七人の侍”があり、ま、ターザン山本が好きなのは“七人の侍”ですけども。それはターザン先生が好きな映画であってね、僕はやっぱりもう“我が青春に悔い無し”をナンバーワンに置くんですよね」
(I編集長)「ロビンソンというのは言うまでも無くAWAで闘った男なんですよ。だからアメリカンスタイルを持ち込むことも出来る男で、ストロングスタイルとは無縁のような気がするんですけどね。それを上手に引き出して、否応なしにストロングスタイルの世界に引き込んだのが、これが猪木の凄いところですよ。それに気付かなかったらダメですよ、これ。私がこんなことを言って初めて『ああ、そうか』と気が付くようではね、これはもう、とてもじゃないが“プロレス者”とは言えないです。これくらいのことは観たら瞬間的にわからなくちゃね」
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十数年前、プロレス誌の表紙を桜庭選手や田村選手など、今でいう総合の選手が表紙を飾ることは多かったけど、最近は「プロレス/総合」ってスパッと分けられている感じ。ターザン山本さんや長州力選手の出ているこの本に朱加さんが載っていることがただただ嬉しい。#KAMINOGE pic.twitter.com/FdHugzMbCX
— Ryo (@Ryoh85647337) December 8, 2019
私は「ああ、そうか」というタイプのプロレスファンです。ボーッと観てたんですね。「プロレス者」ではありません。