■1987.12.28放送
ワールドプロレスリングスペシャル
「イヤーエンド国技館」IWGP3大決戦
たけしプロレス軍団登場
1987.12.27 両国国技館
山田恵一 vs 船木優治
IWGPジュニアヘビー級選手権
小林邦昭 vs 馳浩
IWGPタッグ選手権
藤原喜明&山崎一夫 vs 木戸修&高田延彦
藤波辰巳&木村健吾 vs マサ斎藤&長州力
アントニオ猪木 vs 長州力
アントニオ猪木 vs ビッグバン・ベイダー
この大会は「たけしプロレス軍団」の総帥・ビートたけしのリングイン、ビッグ・バン・ベイダー登場、長州復帰、どんでん返し、混乱、暴動と、「ズンドコ興行」マニアには大好物の大会です。もちろん「ズンドコ」なだけではなく、話題も抜群、好勝負もありで、現場で観戦したファン、テレビ観戦のファンの記憶にも残る、いい意味での「ズンドコ興行」だったと思います。
この大会がいつまでも話題になるのは、暴動もさることながら、この興行にはファンにとってのいくつもの「謎」があるからでしょう。当初発表されていた「藤波&木村vsマサ斎藤&ベイダー」「猪木vs長州」はどの段階で変更されていたのか。ファンの前で行われた「たけしプロレス軍団」と猪木のやりとりで急遽決まったものであるというストーリーですが、興行上は予定通りの展開と考えるのがプロレス的な見方。それにしては長州のマサ斎藤への噛みつき方が超リアル。これは「かませ犬発言」や「俺たちの時代だ」発言でファンを煽った長州力だからこそなせる技かも知れません。
結局、中止となったはずの猪木vs長州が実現したのは、急遽決まったマッチメイクなのか、これもそもそも予定通りの展開だったのか。予定通りの展開とすれば、2試合目の長州が猪木に勝てなかったのは誰もが納得できる結果であり、そのあと2試合目となる猪木がベイダーに敗れてしまうのも仕方ない展開です。
もしすべて予定通りの展開だったとすれば、藤波&木村vs斎藤&長州にブーイングの嵐だったのは、闘っている選手には申し訳ないですが、ファンを煽るためのマッチメイクとしてはブーイングを受けること自体が狙い通りだったのでしょう。そして猪木vs長州も3年振りの闘いとしてのクォリティを保った勝負だったと感じます。ただ、最後に猪木vsベイダーがいただけません。あまりにも猪木のふがいない闘い方。ベイダーを売り出すためとはいえ、弱々すぎる猪木の闘い方だったことからファンの怒りが爆発したのだと思います。
全盛期の猪木ならファンの怒りを煽り、そして対戦相手の力を最大限にまで引き出し、ファンを納得させる試合展開で興行を締めることができたはずです。猪木vsベイダーでたとえ猪木が負けたとしても、説得力のある試合展開であれば暴動は発生しなかったはずです。なぜあのような試合をしてしまったのか、これも「謎」です。
これだけ多くの「謎かけ」を残したまま、未だに答えが示されない大会。当事者の誰かが「この時の真相は・・・」と語ったとしても、それはその関係者の立場からの証言であり、その人の真相。この大会に関わったすべての選手、関係者にその人なりの「真相」があるという興行こそ「猪木プロレス」なのかもしれません。
■木村健吾
「たけし、俺たちじゃ不足か、コノヤロー」
ビッグ・バン・ベイダーの登場で大混乱の「イヤーエンド国技館」。執拗に猪木に対戦を迫るたけし軍団、マサ斎藤。斎藤が放り投げたマイクをたまたまキャッチしてしまった木村健吾。この日のやりとりでは忘れられがちですが、しっかりアピールしていたのです。
木村健吾「たけし、俺たちじゃ不足か、コノヤロー、お前、コノヤロー」
この後にすぐ猪木がリングに入り、「どーですか?」の発言となったために、健吾兄さんの叫びには結局、誰も応えず・・・・。ただ、猪木がリングに入るまでのつなぎとして何か言わなければ場が持たないのも確か。健吾兄さんはしっかりと中継ぎの役割をこなして、猪木にマイクを渡しました。密かに名アシスト、さすが健吾兄さん。
■アントニオ猪木
「どーですか?お客さん」
ビッグ・バン・ベイダーの登場で大混乱の「イヤーエンド国技館」。たけしプロレス軍団のやりたい放題に見かねたアントニオ猪木が登場。そしてリング上で叫んだ言葉。
猪木「まてまてまて、聞けよ俺の話を。テメーらこんな事されて黙ってんのか、コノヤロー。よーし齋藤テメー受けてやるぞコノヤロー来い。どうですかー?俺が打つから、俺が!」
■長州力
「頼むから、試合だけはやらせてくれ」
たけしプロレス軍団と猪木の強引なカード変更に納得できない国技館の観衆は、セミファイナルの藤波&木村vs長州&斎藤のタッグマッチの試合中、試合ができなくなるほどの空き缶や瓶、ゴミなどをリングに投げ込み、“やめろ”コールで抗議しました。なんとか試合を終えた長州が、マイクを持って観客に訴えました。
どんなカードになっても、納得できなくても、試合だけはちゃんとやらせて欲しいと観客を説得しています。維新でも世代闘争でも無いリアルな新日本プロレス社員としての大人の発言。4人のメンバーの中でこの発言ができるのが長州のリーダーシップでしょう。
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— アントニオ猪木 (@Inoki_Kanji) December 20, 2019
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— FavoritesCafe (@CafeFavorites) December 19, 2019
1978年4月21日 蔵前国技館
アントニオ猪木vs坂口征二
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