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古舘伊知郎 名実況集

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■1977.09.22 会津市体育館

「過去のアントニオ猪木との幾との・・・幾多の死闘」
「そして、さ・・・柔道王、坂口との超大型同士の対決」

<第二次闘魂シリーズ来日選手紹介>

 

「あの世界の大巨人、アンドレ・ザ・ジャイアントが来日します。格闘技戦を含め、過去のアントニオ猪木との幾との・・・幾多の死闘はファンの脳裏に強烈に焼き付いています」

 

「格闘王アントニオ猪木との決着戦は?、そして、さ・・・柔道王、坂口との超大型同士の対決は?、話題沸騰のアンドレの来日です」

 

古舘実況

 

 一ヶ月前の越谷大会、長州力vsエル・ゴリアス戦で実況アナデビューを果たした古舘アナ。この日の放送では次期シリーズの来日選手紹介ナレーションを担当しています。前日の試合の録画放送ですが、一発撮りだったんでしょうね。つっかえたところもそのままオンエアされています。「カミカミ」の古舘アナ、今となっては大変貴重なビデオです。(古舘さん、ごめんなさい)

 ちなみに第二次闘魂シリーズ来日選手は

大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアント

ドイツの亡霊”クルト・フォン・ストロハイム

謎のマスクマン”ゴールデン・ファルコン

ビリー・ライレーの正当派”スティーブ・ライト

マンチェスターの新鋭”マーティン・ジョーンズ

サンフランシスコの帝王”パット・パターソン

オランダの赤鬼”ウィリエム・ルスカ

■1977.12.08 蔵前国技館

「はい、三浦アナウンサー」??

 坂口征二&ストロング小林
  vs スティーブ・ライト&パット・パターソン

<古舘リポート>
---リポーターから実況席へ呼びかける古舘アナ
古舘アナ)放送席、山崎さん
 
---実況席からの返答
山崎アナ)はい、三浦アナウンサー
 

 

古舘アナ)・・・・(三浦じゃないんだけど)・・・・えー、リング上のスティーブライトなんですがね、試合前にパートナーに指名されて非常に嬉しいと、ボスであるパターソンの指示通りやると語っておりましたが、これが非常にうかがえますね。というのは、再三、パット・パターソンの方をチラッチラッっと見まして指示を待っているようですね。
 

山崎アナ)古舘アナウンサーからレポートが入りました。

 

古舘実況

 

 古舘アナ、入社一年目の新人時代。名前を間違えられてしまいました。まだ“言葉の魔術師”古舘節ではなく、ごく普通にレポートを入れています。この試合は坂口征二が大暴れで、腕を固められたままスティーブ・ライトを担ぎ上げる、ジャイアントスイングを繰り出す、最後はアルゼンチンバックブリーカーで勝利と、坂口&小林組を北米タッグ防衛に導きました。

■1978.05.26 高松市民文化センター

「不敵な面構えの“ローンウルフ”上田馬之助」

 藤波辰巳 vs 上田馬之助

<古舘実況>
 
 今、赤コーナーから上田馬之助が登場してして参ります。今日の45分1本勝負、決勝リーグ、藤波辰巳対上田馬之助の一戦です。早くも藤波辰巳がエキサイトして、その上田馬之助を待ち構えています。今、上田馬之助が入場して参りました。ゆっくりとファンの罵声と、に、囲まれまして上田馬之助が登場して参りました。放送席の目の前です、上田馬之助。桜井さん・・・・  
(罵声のくだりで、ちょっとつっかえてしまう若き日の古舘アナ)


 
 「不敵な面構えの“ローンウルフ”上田馬之助」、そして青コーナーから藤波辰巳が紹介されました。若きヒーロー

 

古舘実況

 

 入社二年目、すでに安定した試合実況の古舘アナ、基本に忠実な実況の中にも“ローンウルフ”“若きヒーロー”など、この頃からすでにオリジナルなキャッチフレーズも使用し、実況アナとしての爪痕を残そうとする貪欲さは、その後の“言葉の魔術師”「古舘伊知郎」への変貌を予感させます。

■1980.02.08 東京体育館(生中継)

「卍固めにいくか、アントニオスペシャル卍固めにいくか、卍固めにいくかー!」

 アントニオ猪木 vs スタン・ハンセン

<古舘実況>
 
古舘アナ)パイルドライバーに持って行くか、猪木がこらえる、猪木がこらえる。これをくってはいけない、リバースのスープレックスで返した猪木。これは見事、猪木流のテクニック。強引にパイルドライバーをかわしてドロップキック。これは突き上げるようにヒットしました。顔面にヒットしました。さあ、猪木の速攻、猪木ペースをつかむか、卍固めにいくか、アントニオスペシャル卍固めにいくか、卍固めにいくか、猪木が預言していた卍固めにとる。これはどうだ、これはどうだ、これはどうだ。
 

桜井康夫)入ってますね。これはね。
 

古舘アナ)がっちりと決まっているがーー。ハンセンが返しました。山本さん!
 

山本)これを返したのはハンセンだけですよ
 

桜井康夫)あの体勢までいきますとね、大概決まるんですがね。さすがにハンセンの馬力って言うのはすごいですね。
 

古舘アナ)ロープに振る、ウェスタンラリアート、危ない!ウェスタンラリアート、モロにくったー、カウンターだ!猪木危ないぞー!!
 

 

古舘実況
 

古舘実況

 

 師匠の船橋アナの口調を継承するも徐々にオリジナルカラーを発揮し出している古舘アナ。技や状況を2回、3回と連呼して緊迫感を演出。もうすぐ歴史上の人物や事象と重ね合わせる、地方の名所・名産を取り入れる、そして四文字熟語が登場し出す“古舘節”が完成します。
 この試合、型に入れば必ずギブアップを奪ってきた卍固めをパワーで返されたのも初めて。猪木はスタン・ハンセンの圧倒的パワーの前についにベルトを奪われてしまうことになりました。エプロンサイドでのラリアートは強烈でした。アントニオ猪木「負け名勝負」の一つです。

■1980.02.27 東京蔵前国技館

「さてここで今夜の放送席をご紹介いたします。今夜はゲストとして・・・」

 アントニオ猪木 vs ウィリー・ウィリアムス

<古舘実況>
 
 格闘技世界ヘビー級選手権、アントニオ猪木vsウィリー・ウィリアムス。実現まで3年の歳月を要した世紀のイベントが、今ここに展開されようとしています。
 

 「プロレスはあらゆる格闘技の集大成」を自負する猪木、一方実践空手の奥義を究めた男ウィリー、互いに研ぎ澄まされたテクニックを持つ格闘家二人。果たしてどちらに凱歌が上がりますか、東京蔵前国技館の観衆一万一千人の目は、今その一点に集中しています。
 

 さてここで今夜の放送席をご紹介いたします。今夜はゲストとして・・・
 

 

古舘実況

 

 ワールドプロレスリングの古舘アナ実況放送で、この日初めて(?)放送席が映し出されました。ところが古舘アナの顔は半分しか映っていない。テレビ朝日スタッフのいたずらです。(古舘伊知郎談)

■1980.04.04 川崎市体育館

「涙が頬を伝います、山本小鉄」

 山本小鉄引退

<古舘実況>
 ちなみにテレビ朝日(新日本プロレス)放送開始の初めての試合はこのヤマハブラザースの試合でした。この時の実況担当、おなじみの船橋慶一アナウンサーにインタビューしてもらいました。そして今リング上は引退セレモニーに引き続いて、選手全員による、新日本プロレスの選手全員による胴上げが行われたところであります。涙が頬を伝います、山本小鉄。17年間に及びますレスラー生活に、今、ピリオドを打ちまして、これからマットを降りるわけであります。しかしこの後の山本小鉄さんの活躍、解説、あるいは若手への指導、さまざまな面での活躍を期待したいと思います。

 

古舘実況

 

 山本小鉄)「猪木さんの後を継いでくれるような人を育てたい」

■1981.04.23 蔵前国技館

「今、確かに一つの幕が下ろされました。しかし、それは新たな幕開けでもあります」

 アントニオ猪木 vs スタン・ハンセン

<古舘実況>
 そして今しっかりとNWF栄光のベルトが巻かれました。そしてこのベルトがコミッショナーに返還され、そして永遠に封印されるわけであります。昭和48年12月10日、ジョニー・パワーズを破り、第14代、栄光のNWFヘビー級チャンピオンという称号を与えられてから、およそ7年4ヶ月、その年月に多くの名勝負が生まれました。ストロング小林戦、大木金太郎、タイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ビル・ロビンソン、ジャック・ブリスコ、そしてスタン・ハンセンと、世界の強豪を相手に栄光のベルトを守ってきた猪木。全54戦にわたるNWFの闘いは、猪木の闘いの歴史そのものでありました。そして今あえて自分の分身を返還。永遠に封印し、猪木は新たなファイティングロードを突き進みます。IWGP、世界のベルト一本化を目指し、無冠の王者として、闘う一人の男として、世界マット統一を狙います。今、確かに一つの幕が下ろされました。しかし、それは新たな幕開けでもあります。猪木の今後の健闘へ、大きく期待をつなぎまして、この辺で闘いの余韻残ります東京蔵前国技館からお別れしたいと思います。ごきげんよう、さようなら。

 

古舘実況

 

 猪木のNWF戦の歴史を振り返る映像集にのせて、情緒的にベルト封印と猪木の新たな挑戦を語る古舘アナ。実況と語りに緩急をつけてプロレスを伝えるスタイルが確立してきました。NWFベルトの封印は新たな古舘ワールド「闘いのワンダーランド」の幕開けとも重なり合うように、この時期から過激な実況へと変化していきます。

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■1981.05.08 川崎市体育館(生中継)

「ご覧ください、カメラがアブドーラ・ザ・ブッチャーを捉えました」

 アブドーラ・ザ・ブッチャー新日マット登場

<古舘実況>
 
古舘アナ)ご覧ください、カメラがアブドーラ・ザ・ブッチャーを捉えました
 

古舘アナ)白いスーツに身を包みましたアブドーラ・ザ・ブッチャーが今、リング内であります。館内は凄まじい声援です。“黒い呪術師”アブドーラ・ザ・ブッチャー、「吹けよ風、呼べよ嵐」のテーマに乗せましてアブドーラ・ザ・ブッチャーが今この川崎のリング上にのぼりました。
 

古舘アナ)猪木さん、このブッチャーはですね、IWGP世界統一へ向けての遠大なイベントにかねてから参加を表明していた、ついにこのマット上でそれを宣言するんでしょうかね。
 

猪木)そうですね、昨日そういう発表がありましてね。今日は予告があったんで、その通り来ましたね。私としてはこれはもう大歓迎です。この統一戦にね、ブッチャーが出てきたと言うことはね、私もやりがいがありますしね、とにかく大歓迎です。
 

古舘アナ)リング上のアブドーラ・ザ・ブッチャー、放送席の猪木選手をジーッとそのサングラスの中から覗いております。ジーッと見据えています。黒のスラックス、そして黒のシャツ、そして真っ白なジャケットを羽織りました不気味なこの“黒い呪術師”アブドーラ・ザ・ブッチャー。鋭い視線をぶつけ合っております、猪木とブッチャー。
 

 

古舘実況

 

古舘実況

 

■1981.07.31 大阪府臨海スポーツセンター

「ヨーロッパマットにおける衝撃のじけ・・・」
「ローランド・ボック。その凄まじい・・・」

 木村健吾 vs ローランド・ボック

<古舘実況>
 あの忘れもしない53年11月、ヨーロッパマットにおける衝撃のじけ・・・おーっと、これは猪木さん、バックドロップとみてもいいですか?

 

<古舘実況>
 53年11月、ヨーロッパマットにおける衝撃の事件、折からの欧州世界選手権シリーズに参戦し、ヨーロッパマットで快進撃を続けておりました猪木選手、その猪木の前に立ちはだかりましたこのローランド・ボック。シリーズ決勝戦、あの森と教会の街、ドイツのシュツットガルトで行われた両雄の対決。猪木を屈辱の敗北に追い込んでいった、このドイツ最強の男と謳われるローランド・ボック。そのすさまじい・・おーっと、切れのいい投げです

 

古舘実況

 

 ボックの技が速すぎて、途中で途切れ手しまう実況。気を取り直して名調子を再開するも、またもやボックが速攻の投げ。名調子の実況を中断され、そのまま木村健吾はフォールされてしまいました。「その凄まじい・・・」の後のフレーズに何を用意していたのか、とても気になります。

■1981.09.23 田園コロシアム

「肉弾相打つ合計400キロの闘い、マットが軋んでいる!」

 アンドレ・ザ・ジャイアント vs スタン・ハンセン

<古舘実況>
 バトル・オブ・スーパー・ヘビー・ウェイト、天下分け目のパワー合戦、今ゴングが鳴りました。

 

<古舘実況>
 持ち上げたボディースラムだ!ボディースラムだ!ボディースラムだ。世界で5人目!世界で5人目。 肉弾相打つ合計400キロの闘い、マットが軋んでいる!

 

古舘実況

 

■1981.09.23 田園コロシアム

 アントニオ猪木 vs タイガー戸口

<古舘実況>
 古代コロシアムを彷彿とさせますこの会場、古代ローマの時代から現代に至るまで、考えてみればその気の遠くなるような年月を経ても人々の闘いに寄せる熱気は普遍であります。その闘いの熱気を感じますこの田園コロシアム。

 

古舘実況

 

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■1982.02.26 第5回MSGシリーズ予告

「巨大な人間山脈アンドレザジャイアント」

<古舘コメント>
 まず、巨大な人間山脈アンドレ・ザ・ジャイアントが日本勢の前に立ちはだかります。昨年の暮れ、日本全土を熱狂させましたMSGタッグリーグ戦、この世界の大巨人チームがこの優勝の美酒に酔いしれたわけであります。その余勢をかりましてますます活発化した巨大な活火山、今回も優勝の有力候補であります。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 次にテキサスの狂犬ディックマードック。日本マットにおいて、ダスティーローデスとのコンビ、テキサス・ジ・アウトローズ復活の気炎をあげましてラフ&パワーはますます過熱状態であります。本場テキサスからやってくる、スーパーロデオマシーン、ディックマードック、南部の熱い日の出を運んでまいります。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そして、特別参加ローランド・ボック。ヨーロッパ不屈の王者。19世紀末、ポーランドの英雄あの「スタニスラウス・ズビスコ」のストロングプロレス、格闘技の原点を継承いたしますボック。猪木の超過激なプロレスとの決着を今回、図りますか。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 同じく特別参加、超人ハルクホーガン。かつて大都会ニューヨークでこの超人的肉体がきらびやかながデビューを飾ってから驚異的スピードで世界のスターダムにのし上がりました。洗練されたラフ&パワー。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そして、アメリカンドリーム、ダスティ・ローデス。ファッショナブル爆弾と呼ばれるエルボードロップが火を噴くか。華麗なそしてトリッキーな動きで、いやがおうにもこのフェスティバルが盛り上がります。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
ダークホース的存在、マスクド・スーパースター
アラブの怪人、アイアン・シーク
スーパービルダー、トニーアトラス
南部の荒法師、ドン・ムラコ
仮面忍者、ブラックマン
闘うモンゴリアン、キラー・カーン
その他、第一線級が日本マットに集結いたしまして、純銀の大トロフィー獲得を目指して、14戦士が総当たりリーグ戦を展開いたします。

 

古舘実況

 

■1982.03.31 愛知県体育館

「まさに現代のガリバー旅行記」

 キラー・カーン vs アンドレ・ザ・ジャイアント

<古舘実況>
 地の底から響き渡るようなテーマに乗せまして、アンドレ・ザ・ジャイアントが姿を現しました。早くも怒り狂った表情であります。巨大な人間山脈、アンドレ・ザ・ジャイアントであります。バトル・オブ・スーパー・ヘビー・ウェイト、外国人ナンバーワンを決する超ド級のファイトであります。さあ、花道を埋め尽くすファンを蹴散らすようにして、アンドレ・ザ・ジャイアントが入ってまいりました。この表情を注目ください、あご髭を新たにたくわえまして、まさに現代のガリバー旅行記そのものであります。

 

古舘実況

 

■1982.04.16 次期ビッグファイトシリーズ予告

「恐怖のまさかり殺法アックスボンバー」

<古舘コメント>
 黒い呪術師、ご存じアブドーラ・ザ・ブッチャー。今年の一月、猪木との壮絶なシングルマッチでドス黒い因縁が生まれました。新日本マットで産声を上げました新たな黒いブッチャー伝説。恐怖の牙が猪木に襲いかかります

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そして、超人ハルクホーガンの登場。今全世界が最も熱い視線を送る恐るべきスーパービルダー。あの恐怖のまさかり殺法アックスボンバーで日本勢の首を砕きます。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 次にメキシコからたそがれの闘牛士、ペーロ・アグアイヨ。2月のメキシコ遠征でブッチャーと組んで日本勢を痛めつけました、狂犬ペーロ。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そして注目のタイガーマスクを襲います謎の黒覆面ブラックタイガーの登場。プロフィールは一切不明、ただ我こそは暗闇のタイガーと名乗るミステリアスなレスラーであります。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そのほか、
小さな英雄、グラン浜田
バッドニュース・アレン
ジョージアの巨象ビッグ・レッド・ジョン
S・D・ジョーンズはブッチャー軍団の斬り込み隊
カルロス・ホセ・エストラーダ
ホセ・ゴンザレス
プレイボーイ・バディ・ローズ
をはじめ、新進気鋭のレスラーが、日本マットに集結。
 新緑の緑がつややかに色づき、四角いジャングルに闘いの花が咲き誇ります。ビッグ・ファイト・シリーズ、どうぞご期待いただきたいと思います。

 

古舘実況

 

■1982.05.12 沖縄・奥武山体育館

「谷津が沖縄の海に底深く沈んでしまった-!!」

 藤波辰巳&谷津嘉明
  vs ハルク・ホーガン&バディ・ローズ

<古舘実況>
 ホーガンの彫刻の美を連想させるような素晴らしいシェイプアップされた肉体、上半身が隆起している。ロープに飛んだ、アックスボンバー、アックスボンバー!恐怖のまさかり殺法!恐怖のまさかり殺法が出た。谷津が沖縄の海に底深く、谷津が沖縄の海に沈んでしまった-!!。ブルーのキャンバスに沈んだ谷津。恐怖のまさかり殺法、ハルク・ホーガン自信満々の表情。恐怖のまさかり殺法、恐怖の斧、あのアックスボンバーによりまして、谷津嘉章を仕留めました。

 

 

古舘実況

 

■1982.10.15 大垣市スポーツセンター

「大丈夫ですか?古舘さん」

 藤波辰巳 vs アブドーラ・ザ・ブッチャー

<古舘実況>
 藤波辰巳がアブドーラ・ザ・ブッチャーを迎え撃ちます。おーっと、今放送席サイドにアニマル浜口、ラッシャー木村、そして寺西勇、国際部隊が飛び込んで参りました。またもや先週に引き続いて乱入・・・(ガサ、ガサッ)・・・無音・・

 

<保坂実況>
 おーっと、古舘アナウンサーがアニマル浜口に引っ張り出されてしまいました。古舘さん、大丈夫ですか?古舘さん・・・ハプニングがまたもや起きてしまいた、新国際軍団。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

■1982.10.22 広島県立体育館

「"I never give up" 対 "I put my soul"の闘い!」

 藤波辰巳 vs 長州力

<古舘実況>
 大噴火した遺恨の決着戦。今、火花を散らす訳であります。猪木一門の若きリーダーが袂を分かつ訳であります。

 

 藤波はかつて凱旋帰国した際に、"I never give up!"、自分は絶対にギブアップしないと語りました。
 そして一方の凱旋したばかりの長州は、"I put my soul."、自分の魂のすべてをこの試合にぶつけると語りました

 

<古舘実況>
 "I never give up" 対 "I put my soul"の闘い!。凄まじいファイティングスピリットが、場外で火花を散らしております。今、両雄の心中に去来するものは何か、心中に渦巻いているものは、何でありましょうか?

 

古舘実況

 

 10月8日の後楽園ホール、長州力の反逆を経て、10月22日の広島県立体育館大会。藤波と長州の一騎打ちが実現した。当初は藤波のWWFインターナショナルヘビー選手権に長州力が挑戦する予定だったが、お互いに遺恨が深まってしまったために、タイトルマッチにはふさわしくないという判断から、ノンタイトルの試合として、お互いに気の済むまで闘わせようとなった。

 長州の"I put my soul"発言、実況で古舘アナが"I never give up!"に対抗する長州の名言にしようととりあげたものの、全く浸透せず、この試合の実況に使われただけで終わってしまった、誰も覚えていない名言。10月8日、後楽園ホールの直後のシングルマッチだったが、この時の古舘アナが実況で「かませ犬発言」に触れるフレーズは無し。この日の実況を聞いていると、後楽園ホールのリング上で、本当に「かませ犬発言」をしたのか?と疑問に思ってしまうが、真相は不明。

■1982.11.04 蔵前国技館

「まさに新日本プロレスは群雄割拠、戦国時代、戦国の世のまさに下克上であります」

 藤波辰巳 vs 長州力

<古舘実況>
 さあロープに送る、何があるか。カウンターのスリーパー、アナコンダ、怒りのアナコンダ殺法だ。長州力の執念がうかがえます。

 

<古舘実況>
 まさに新日本プロレスは群雄割拠、戦国時代に、戦国時代に突入したと言えます。戦国の世のまさに下克上であります。

 

<古舘実況>
 先に栄光のスター街道を走り始めました藤波辰巳。一方、その後塵を拝する形になりました長州力。まさに互角の力を秘めた、エネルギッシュな若者がぶつかるというのは、これは定めと言っていいでしょう。この両雄のいきさつ、いままでレスラーとして辿ってきたその足跡を見ても、まさにこの両雄がぶつかるというのは、定めと行っても過言では無いでしょう。プロレスの次代を担うヤングジェネレーションの旗頭、この両雄。

 

古舘実況

 

 古舘アナは藤波と長州の置かれた状況をわかりやすく伝えているが、この時には、まだ実況の中に「かませ犬発言」「エリート雑草逆転劇」は出てこない。


■1982.11.04 蔵前国技館

「過激なセンチメンタリズムが渦巻いている」

 アントニオ猪木 vs 国際軍団

<古舘実況>
 フィギュア・フォー・レッグロック、猪木怒りの足責め。猪木怒りの足責めであります。ラッシャー木村、苦悶の表情。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 国際部隊、怨念の凶弾がこの猪木の負傷箇所に貫通している。あの過激なセンチメンタリズム、猪木、 マットに這いつくばるこの猪木の表情に過激なセンチメンタリズムが渦巻いている

 

古舘実況

 

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■1983.01.06 後楽園ホール

「放浪のオオカミ軍団が入って参りました」

 坂口征二&キラー・カーン vs マサ斉藤&長州力

<古舘実況>
 後楽園ホールに興奮の嵐が駆け抜けて行きます、長州力、マサ斉藤。放浪のオオカミ軍団が入って参りました。その興奮の嵐に追い打ちをかけるように、人々の熱狂がうかがえます。大いなる期待感がうかがえます、後楽園ホール!!

 

<古舘実況>
 坂口征二、孤立無援。ウエスタン・ラリアート、長州力。まさしく腕を撫して温存しておりました。ロサンゼルス、ニューヨークで活躍して参りました長州力の十八番、必殺の秘密兵器であります。ウエスタン・ラリアート、この荒鷲の分厚い胸板に炸裂いたしました。ここでゴングが鳴り渡った。

 

古舘実況

 

 

<古舘実況>
 おおーっと、トップロープに上った、キラー・カーン。アルバトロス殺法、坂口に見舞った、坂口に見舞った、恐怖のアルバトロス殺法、味方であります坂口に見舞った。やはり、一部で囁かれていたキラー・カーンの造反、キラー・カーンの造反が、恐るべき現実になってしまいました。

 

古舘実況

 

 古舘アナは1983年の年が明けてから長州軍団を“放浪のオオカミ軍団“と呼んでいる。“革命軍”の呼び名が時々登場、しかしまだ“維新軍”は出てこない(当HP調べ)。
 そして長州力のラリアートは“ウェスタン・ラリアート”。まだこの時は“リキ・ラリアート”ではない。


■1983.01.14 徳山市体育館

「革命軍が仁義なき戦争を展開している」

 アントニオ猪木&藤波辰巳 vs マサ斉藤&長州力

<古舘実況>
 かつて戦艦大和が最後の寄港地としてその巨体を立ち寄らせたという、徳山湾は、すっかり夜の闇と同化しております。そしてさらにその湾に浮かびます、大津島にはあの人間魚雷と言われた回天の基地跡が当時の思い出を残しております。そういった意味ではこの革命軍、まさに人間魚雷と言われた回天の心境で立ち向かっているのでは無いでしょうか。

 

<古舘実況>
 長州、斉藤、そしてこのキラー・カーンの三人、革命軍がですね、仁義なき戦争を展開している、あの国際部隊とは全く相容れないわけですよね。

 

<山本小鉄>
 ということはですね、やっぱり気持ちが違いますからね。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

 古舘アナはこの日の中継から長州軍団を本格的に“革命軍“と呼び始めた。(当HP調べ)。


■1983.02.04 札幌中島体育センター

<櫻井康雄>「これはね、本当にね、猪木というレスラーは神秘的なレスラーですよね」

 アントニオ猪木&藤波辰巳 vs マサ斉藤&長州力

<古舘実況>
 さあ、猪木が狙い澄まして延髄斬り、背中を見せたマサ斉藤、一瞬の隙をついて延髄斬り。決まった、決まったー。藤波辰巳がフォロー、長州力をリング下で制している。猪木の延髄斬り。櫻井さん、どうですか?

 

<櫻井康雄>
 しかしね、あれだけ足を攻められて、立てない状態の猪木がね、ここで延髄斬りが出ると言うね、これはね、本当にね、猪木というレスラーは神秘的なレスラーですよね。その一言に尽きますね。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

 後に古舘アナが「かつて猪木は、長州のサソリ固めを5分以上耐え抜いたことがあります」と実況するのは、この日のサソリ固めのことである。

■1983.02.08 大阪府立体育会館

「御堂筋から道頓堀の街角に春の予感を告げる淡い日差しが差し込めておりました」

 タイガーマスク vs 小林邦昭

<古舘実況>
 超満員9000人、立錐の余地もないほど入りました、この大阪府立体育会館。そのファンの中を縫うようにタイガーマスク、チャンピオンが入って参りました。さあマントを翻してリング内をのぞみます。早くも五色のテープがこの闘いの大海原に投げ込まれています。
 浪速の街に少しずつ春の気配がやって参りました。日中は御堂筋から道頓堀の街角に春の予感を告げる淡い日差しが差し込めておりましたが、一転夜の帳がおりました今、この館内にタイガーマスクのそのマスクが光り輝いております。いよいよWWFジュニアヘビー級選手権の開幕であります。現在リング上では認定宣言が行われております。


 技の多重攻撃を見せました。マルチスタイルの大技であります、タイガーマスク。さあフライイングクロスチョップ、自らの体も回転!!、サマーソルトドロップだ。さあ四次元プロレス!、四次元プロレスの片鱗か!、ミラクル殺法が出るかどうか。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

■1983.03.04 相模原市総合体育館

「俺は藤波のかませ犬ではない!」

 坂口征二&藤波辰巳 vs マサ斉藤&長州力

<古舘実況>
 「俺は藤波のかませ犬ではない!」、その名言を残してから、はや数ヶ月が経過しております長州力。

 

<古舘実況>
 4月の3日蔵前プロレススペシャルにおきましては、この藤波辰巳と長州力、一騎打ちを行います。そういった意味ではこの4月3日の闘いは新日本プロレスと革命軍の代理戦争と申し上げてもいいでしょう。さー、ロープに送ります長州力、ショルダータックルで返した藤波辰巳、おーっと、キラー・カーンが足を引っ張った、キラー・カーンが、おーっと、そのすきにウエスタン・ラリアート

 

古舘実況

 

古舘実況

 

 古舘アナが実況中継の中で長州の名言、「俺は藤波のかませ犬ではない!」というフレーズを口にしたのは、この日が最初だと思われる。10月8日の生中継以降、毎週の放送の実況を聞き直してみても、このフレーズが出てこない(当HP調べ)。

■1983.04.03 蔵前国技館

 藤波辰巳 vs 長州力

<古舘実況>
 すさまじいストロングプロレスの原点であります。

 

古舘実況

 

 試合後のインタビュー終了後、長州力が去り際につぶやいた。「俺の人生にも一度ぐらい幸せな日があっていいだろう」

■1983.05.27 高松市民文化センター

 アントニオ猪木 vs 前田明

<古舘実況>
 おーっと、猪木の卍固め。猪木の卍固め、猪木の卍固め、猪木の卍固めが出る、猪木の卍固めが出る、猪木の卍固めが出る。さあどうだ、アントニオスペシャル卍固め、アントニオスペシャル卍固め

 

古舘実況

 

 「卍固め」の連呼、連呼、連呼だー!

■1983.06.02 蔵前国技館

「現代のネプチューン、三つ叉の槍」

 アントニオ猪木 vs ハルク・ホーガン

<古舘実況>
 猪木があのギリシャ神話の英雄ヘラクレスの息子アントニオであるとするならば、その父ヘラクレスはオリンピックの創始者であります。そして今時の流れを経て、この息子である猪木は闘いの世界統一に乗り出したわけであります。その3年越しの空前のイベントIWGPその優勝戦、猪木は果たして1億円のベルトを腰に巻くか、アックスボンバー、アックスボンバーが出た出た。 現代のネプチューン、三つ叉の槍

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 危ない、後頭部、背後からアックスボンバー。そして額を鉄柱に打ち付けてしまった猪木。猪木危ない。猪木足首ひねったか、さあ猪木、魂のゴング鳴る。危なーい、アックスボンバー三つ叉の槍。猪木最大のピンチに見舞われました。猪木万事休すか。猪木万事休すか

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 ここで猪木コールだ!。渇ききった時代に送る、まるで雨乞いの儀式のように、猪木に対する悲しげなファンの声援が飛んでいる!。しかしその猪木は全く立ち上がれない。過激なセンチメンタリズム。あの村松さんが書いた「評伝アントニオ猪木」にありました、猪木はジョニーパワーズからあのNWFのベルトをとった時に「こんな試合をしていたら10年持つ体が3年で終わってしまうかも知れない。しかし、自分は戦い抜く」と言いました。まさしくその過激なセンチメンタリズム、その言葉が、わたくしの脳裏に今去来します。

 

古舘実況

 

■1983.07.07 大阪府立体育会館

「まさしく闘いの万華鏡、幻を見ているようだ」

 長州力 vs 藤波辰巳

<古舘実況>
 逆ラリアート、リキラリアートをカウンター、すくっと身をすくめてかわして逆ラリアート。かつての猪木対ハンセン、猪木が逆ラリアートを見舞った、猪木を彷彿とさせる。そしてサソリ、逆になった。これは幻を見ているかのようだ。まさしく闘いの万華鏡、幻を見ているようだ。

 

古舘実況

 

■1983.08.04 蔵前国技館

「執念の狩人」

 タイガーマスク vs 寺西勇

<古舘実況>
 さあこれは功を奏した。まさしく土手っ腹に風穴を開けたさあタイガーが飛ぶ飛ぶ飛ぶ、プランチャー。

 

<古舘実況>
 そのジュニアヘビー大戦争の最前線、その戦線、さぁー最前線が真っ赤に燃えている。タイガーのニューコスチュームのその色合いと同色であります。ブレーンバスターだ。タイガーマスクの四次元殺法、プランチャーからエプロンサイドに這い上がるところをその執念の狩人をブレンバスターから何にとる。ムーライトコースター、墓穴を掘ったー。

 

古舘実況

 

■1983.08.04 蔵前国技館

「掟を破った藤波執念の掟破り」

 長州力 vs 藤波辰巳

<古舘実況>
 逆サソリ、逆サソリ。勝負における暗黙の掟を破った藤波執念の掟破り相手の最も得意とする技を使って、相手に対して精神的揺さぶりをかけている。精神的にもダメージを与えている。

 

古舘実況

 

 藤波のコメント「徹底的に差をつけて勝たない限りベルトを腰に巻く気は無い」

 長州のコメント「彼からベルトを奪えるレスラーがいるとしたら、それは俺だけだ」

■1983.09.21 大阪府立体育会館

「まるで影絵のように脳裏のスクリーンに甦ってくる」

 アントニオ猪木 vs ラッシャー木村

<古舘実況>
 またしてもパンチ攻撃、おーっと、延髄斬り。さあ現代の合戦、怒りの一刺し。戦国マットにおいて、現代の合戦、怒りの一刺しをみまった猪木。怒りの一刺し延髄斬り。さあさまざまな名勝負が、さまざまなかつての名勝負がまるで影絵のように脳裏のスクリーンに甦ってくるここでゴング、ここでゴングだ。

 

古舘実況

 

■1983.11.03 蔵前国技館

「さあ前田こらえろ!」

 長州力 vs 前田明

<古舘実況>
 アナーキー軍団の意地とプライド、そして大きなビジョンが、象徴的にこのサソリのダメ押しに表れている。さあ前田こらえろ!、さあどうだ、前田こらえろ!。

 

古舘実況

 

■1983.11.03 蔵前国技館

「メラメラと闘魂が這い出してきたか」

 アントニオ猪木 vs 谷津嘉章

<古舘実況>
 猪木が怒った、猪木が怒った。遂に猪木の闘魂が爆発。さあ猪木の、猪木の体から闘魂が這い出す。魂のゴングが鳴ったアントニオ猪木。メラメラと闘魂が這い出してきたか。猪木の猛然と突っ込んでいく喧嘩殺法。

 

古舘実況

 

■1983.12.23 次期新春黄金シリーズ予告

「闘いの大海原は、魑魅魍魎・百鬼夜行の巣窟になるか」

<古舘コメント>
 まず1年9ヶ月振り、ときめきの来日でありますアメリカンドリーム、ダスティ・ローデスがシリーズ前半やってまいります。シリーズ幕開け1月1日後楽園ホールでアントニオ猪木との一騎打ちが決定。きらびやかなコスチュームが闘いのロマンを開花させリングを華麗なファッションシーンに変えてしまう心憎い男、あのローデスの登場です。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 そして、新春マットを襲います黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャー。最新情報によりますとフロリダマットでダスティ・ローデスとの血の闘争が勃発。その火種が日本マットに持ち込まれます。ブッチャーの黒い絵図は何か、闘いの大海原は、魑魅魍魎・百鬼夜行の巣窟になるか。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 さらに、現代の神話ネプチューン・ハルクホーガンがシリーズ後半上陸。ギリシャ神話大海原の神がリングの妖怪を叩き潰すか、一網打尽のアックス・ボンバー発射のボタンは何時押されるのか。さらに猪木との微妙な関係、闘いの会者定離(えしゃじょうり)が注目されます。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 もう一つ新春の話題、WWFジュニアヘビー王座決定戦を開催。ジュニアヘビーレスリングウォーの戦火が燃えます。逆境の中で見事に脱皮し、雄大な飛翔をみせるかザ・コブラ。そして全身これ鋭利な刃物と言われます闘う貴公子ダイナマイト・キッド。そして漆黒の闇から野獣の咆吼がとどろきます暗闇の虎ブラック・タイガー、さらにコブラとの因縁渦巻くデイビーボーイ・スミス。そのほかジュニアヘビーの栄光のランカーがベルトを狙ってめまぐるしいデッドヒートを展開いたします。

 

古舘実況

 

<古舘コメント>
 さらにもう一つの闘いの断面、軍団抗争は激化の一途。のっぴきならない事態に突入しそうです。あのラッシャー木村が登場します。打たれても斬られても立ち上がってくる妖気じみたインパクト。木村の次なる一手は全く予想がつきません。もちろん長州・浜口、維新軍団は時の権力壊滅作戦を敢行、あの谷津嘉章も一派に名を連ねています。1984年も戦国乱世の様相を呈するか、そのほかご覧の世界の強者もこの参加メンバーに名を連ねております。燎原の火が逆巻く、四角いジャングル、闘いの劫火が新春の夜空を焦がします。次期新春黄金シリーズにどうぞご期待ください。

 

古舘実況

 

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■1984.02.03 札幌中島体育センター

「何が起こったのか、正確な事態はわかりません」

 藤原喜明乱入

<古舘実況>
 お、藤原喜明ですか?藤原喜明が、長州力が入場してくる際に、長州をメッタ打ちにしたんでしょうか?。ちょっとわかりませんねぇ。黒山の人だかりで事態はわかりません。札幌中島体育センターからの実況生中継。大変なことになりました

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 長州力が顔面を真っ赤の染めて、今立ち上がっている。何が起こったのか、正確な事態はわかりません。しかしながら藤原喜明がこの維新軍団サイドに突っかかっていった事だけはかろうじてこのカメラでも捉えたわけであります。

 

古舘実況

 

 藤波「こんな会社、辞めてやる!」

■1984.04.19 蔵前国技館

「雀百まで踊り忘れず、三つ子の魂百までも」

 正規軍vs.維新軍 アントニオ猪木vs.長州力

 

<古舘実況>
 長州が返した卍、崩れたー、一気に長州が返したー。

 

<古舘実況>
 おおーっと、延髄斬り、もう一回! 雀百まで踊り忘れず、三つ子の魂百までも

 

<古舘実況>
 長州も本能で返す、しかし猪木も徹底して攻撃を緩めない。傷ついても立ち上がっていく、両雄の、闘う男の本能だ。さー、もう一回卍だ。

 

古舘実況

 

--------------------

 

<山本小鉄>
 これはもう、完全に入ってますね。

 

<古舘実況>
 入っていますね。攻撃の手を緩めない、正規軍の総帥・アントニオ猪木

 

古舘実況

 

<桜井康雄>
 これはね、折れてもね、「まいった」をしないというね、長州の意思を見たんでしょうね。

 

<古舘実況>
 ここで試合をストップしましたね。

 

<桜井康雄>
 レフリーストップでしょうね。これはこれ以上締めますとね、長州の首が折れますからね。それでまあ、レフリー権限のね、ストップでしょう。

 

 

 キャプチャ画像は、「雀百まで踊り忘れず」の1つ前の延髄斬り。この名実況の時に繰り出された延髄斬りは、形が美しくない。このあと卍固めで長州が右足で卍固めの形を支えきれなくなっている。長州力の体力の限界か。タイガー・ジェット・シン戦のような美しい卍固めのフォームにならなかったのが残念。

■1984.06.14 蔵前国技館

「阿鼻驚嘆の地獄絵!阿鼻驚嘆の地獄絵!!」

 アントニオ猪木 vs ハルク・ホーガン

<古舘実況>
 6.14異様な殺気の中でゴングが鳴った。大歓声、1万3千人のその声援の中で歴史的ゴングがかき消されてしまった。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 さあどうだ、さあどうだ。一寸先は暗がり、アックスボンバー、後頭部を金具に激突させた猪木が倒れ込んだ。ハルクホーガンが上がる。悲痛な猪木コール、悲痛な猪木コールだ。1万3千人のその人々の心の中のプロレスラーがしきりに燃えて猪木を励ましている。人々の闘魂の象徴、猪木。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 リキラリアートとアックスボンバー。大変な局面だー。阿鼻驚嘆の地獄絵。阿鼻驚嘆の地獄絵。レフリーが昏倒している際に、長州力が無法乱入テロ行為、大変な結末になったー。物が飛び交っている、物が飛び交っている。

 

古舘実況

 

■1984.08.02 蔵前国技館

「腕鉄砲水、水際の長州砲」

 アントニオ猪木 vs 長州 力

<古舘実況>
 グルグル右の手を回している、ラリアート!なだれ現象、腕鉄砲水。水際の長州砲、現代の下関戦争

 

古舘実況

 

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■1985.01.04 後楽園ホール

「闘う金太郎飴軍団が入ってまいりました」

 坂口征二&木村健吾 vs ストロング・マシーンズ

<古舘実況>
 さあ若松が入ってまいりました。一人騒乱罪と言われます、前代未聞の世紀末マネージャー。マネージャーの若松が先導でストロング・マシーン軍団が入ってまいりました。パッションレッドのミステリアスマスク、そしてミステリアスコスチュームであります。まさに赤一色で統一をされました、闘うレプリカ、恐るべき軍団ストロングマシーン、闘う金太郎飴軍団が入ってまいりました。

 

古舘実況

 

■1985.02.05 愛知県体育館

「アントニオ猪木がエプロンサイドからホーガンに見舞った、逆蔵前現象を思い起こさせる」

 藤波辰巳 vs ハルク・ホーガン

<古舘実況>
 もつれてリング下に転落。ドラゴンスープレックス狙いか、無謀ににもリング下でドラゴンスープレックス狙いか。
 これはあまりにも無謀だ。ドロップキック、鉄柱に激突、ホーガン。フラフラッと藤波が死力を振り絞って見舞ったドロップキック、分厚い背中にヒット。
 反動がついて鉄柱に激突してしまいました、顔面からー!!。あの、アントニオ猪木がエプロンサイドからホーガンに見舞った、逆蔵前現象を思い起こさせる。またしてもホーガンが鉄柱に激突、おーっと、額が割れた、額が割れた。

 

古舘実況

 

■1985.03.21 後楽園ホール

「左手にチェーン、右手に花束」

 ブルーザー・ブロディ登場

<古舘実況>
 おおっとーっ、これはブルーザー・ブロディでありましょうか!?。スポットが当たりました。カメラはブルーザー・ブロディを捉えている!左手にチェーン、右手に花束。折しも各新聞紙上等で、このブルーザー・ブロディの新日マット登場のニュースが電光石火流れました。

 

古舘実況

 

 ブロディ「猪木の目にバーニングスピリットを感じた」

■1985.04.12 泉佐野市民総合体育館

「ハヤブサのような延髄斬り」

 アントニオ猪木 vs ビリー・ジャック

<古舘実況>
 ご覧下さい。このビリー・ジャックの上半身、分厚い大胸筋、密生した胸毛、そしてライオンのように盛り上がった僧帽筋、恐るべき筋肉マン信仰を生んでおりますこのビリー・ジャック。「肉体のグランドキャニオン」と言われております。

 

古舘実況

 

 

<古舘実況>
 バックドロップ。アントニオ猪木のバックドロップ。闘うダイエット、そのビリー・ジャックに対してバックドロップ。延髄斬りー!延髄斬りであります。さあ、矢のような延髄斬り、後頭部を貫いた。さあ、このキン肉マンを打ち破ることが出来るのか。バックドロップから延髄斬り、タイミング良く決まったことが功を奏しましたねえ。(山本小鉄の解説を挟んで)アメリカの国鳥、イーグルに対してハヤブサのような延髄斬りでしたねえ。

 

古舘実況

 

■1985.04.17 古河市民体育館

「まくらがの古河の渡りのから梶の音高しもな、寝ゆえるその子ゆゑに」

 藤波辰巳 vs ディック・マードック

<古舘実況>
 ドラゴンコールの大合唱がまた巻き起こりました、古河市民体育館であります。「まくらがの古河の渡りのから梶の音高しもな、寝ゆえるその子ゆゑに」と万葉集にも謳われた古き町、この古河に白熱のフィーバーが起こっております。さー、ディックマードックをヘッドロックに固めていく藤波辰巳。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

 この試合は両者リングアウトでしたが、先を争ってリングに戻る攻防で、藤波がマードックのタイツを脱がすお決まりの技(?)を出さなかったので、反対にマードックが藤波のおしりを出すという、「掟破りの逆マードック現象」となってしまいました。

■1985.04.18 両国国技館

「目で殺せ!、目で殺せ!!」

 アントニオ猪木 vs ブルーザー・ブロディ

<古舘実況>
 目で殺せ!、目で殺せ!!、視殺戦だ。3度目の視殺戦だ。3.21運命の出会い、そして先だっての公開スパーリング、そして3度目の視殺戦だ。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 ジャイアントスイング、ブルーザースイング、マンハッタンターザンのスイングだ

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 ブルーザーブロディも足に来ている。猪木の延髄斬り、もういっかーい、猪木の延髄斬り。インテリジェンス・モンスター、ブルーザー・ブロディがリング下に転落。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 決着がつかない、まさに闘いのネバーエンディングストーリーか!。さあ何だー。ドリル・ア・ホール・パイルドライバー、戦場を場外に移して場外戦で見舞っていった脳天砕き。脳天くい打ち、ここでゴングだ。

 

古舘実況

 

■1985.06.13 愛知県体育館

「第一回IWGPの黒い影、その再現か」

 IWGPヘビー級選手権試合
 アントニオ猪木 vs ハルク・ホーガン

<古舘実況>
 
古舘アナ)猪木がフェンスと肉の壁、ちょうどサンドイッチ状態になってしまった。

 

古舘アナ)かわしたーー!。第一回IWGPの黒い影、その再現かと思いましたが、これは猪木がかわしていった。おーっと延髄斬り。

 

古舘アナ)まさに崖っぷちに立って徳俵に片足を乗せての延髄斬り。さあ、どちらが先に入るか。ホーガンが足を引っ張る、猪木が蹴る-!。リング下での修羅場くぐりの延髄斬り、リング下での修羅場くぐりの延髄斬りで、間一髪、猪木はリング内に入った。これで初の防衛を決めたーー!。まず桜井さん、やはり猪木は勝っても苦しい表情をしてますね。

 

桜井)しかし、今日の勝ちはね、猪木の頭脳戦法の神髄を見せましたね。ホーガンの力を逆に利用しましてね、鉄柱へアックスボンバーを呼び込んでおいて、すべてコレ、計算の上での猪木の動きでしたよね。

 

古舘実況

 

古舘実況

 

■1985.07.28 大阪城ホール

「落日の闘魂は見たくない、落日の闘魂は見たくない!」

 アントニオ猪木 vs ブルーザー・ブロディ

<古舘実況>
 怒濤逆巻く狂乱の渦が、闘魂の火の魂を飲み込んでいる。怒濤逆巻く狂乱のパワーの渦巻きーー。出た、アバランシュホールド、ダメ押しか、ダメ押しか、猪木万事休すか、フォールだ、どうだ。これは危ない、左の肩口が上がった。先ほど大阪城に夕暮れが訪れて、夕日が赤々と燃えておりました。まるでその夕日が落ちていくように、闘魂が沈んでしまうのか。落日の闘魂は見たくない、落日の闘魂は見たくない。ミステリアススピリット、バックドロップ。闘魂が甦ったー、闘魂が甦った。猪木、夕日に見せかけての朝日かー!

 

古舘実況

 

■1985.08.01 両国国技館

「猪木の目、すでに何かが宿ったのか、猪木の瞳に闘魂の炎がメラメラと燃えている!」

 アントニオ猪木 vs ブルーザー・ブロディ

<古舘実況>
 この闘犬に対して、猪木も本能的に身構えている。恐ろしい闘いになりそうな、そんな第三幕の予感であります。運命の闘争第三ラウンド。猪木の目、猪木の目、すでに何かが宿ったのか、猪木の瞳に闘魂の炎がメラメラと燃えている。猪木の目が凄い、猪木の目が凄い。さあ、帯に手がかかった猪木。凄まじい目になりました猪木、何かに取り憑かれています!

 

古舘実況

 

■1985.10.04 札幌中島体育センター

「前世の魂が時空を越えて相まみえています!」

 アントニオ猪木 vs ブルーザー・ブロディ

<古舘実況>
 19世紀ニーチェの哲学書に描かれた超人ツァラトゥストラを彷彿とさせるこのブロディの表情、ボディースラム、さあパワーを温存していた。動くダビデ像エンジン全開か、そして一方は猪木、ヘラクレスの息子アントニオであります。共に歴史や神話の戦士が肉体に宿っています。前世の魂が時空を越えて相まみえています。ヘラクレスの息子と動くダビデ像!

 

古舘実況

 

■1985.10.31 東京体育館

「ブロディが猪木に対してレクイエム、鎮魂歌を口ずさんでいるかのようだ!」

 アントニオ猪木 vs ブルーザー・ブロディ

<古舘実況>
 燃え尽きたか闘魂、猪木の内なる魂は燃え尽きてしまったのか。闘魂のバラードが聞こえてきた、闘魂のバラードが聞こえてきた。あぶない、あぶない、ブロディが立ち上がります。ブロディが猪木に対してレクイエム、鎮魂歌を口ずさんでいるかのようだ。あぶない、燃え尽きたか。猪木土壇場に追い込まれています。猪木、断崖絶壁であります。徳俵に足を乗っけてしまったアントニオ猪木、窮地に立っている。さあここで猪木に勝ち目はあるのか。猪木に勝ち目はあるのか。

 

古舘実況

 

■1985.12.06 両国国技館

「新日マットはまたしても予想外の闘いの図式へエスカレートしていくのか」

 UWF参戦

<古舘実況>
 そして今!ご覧下さい。UWF軍団が入って参りました!前田日明を捉えています。その後ろ藤原喜明!新日マットに実に1年半ぶり殴り込みをかけて参りました!!前田日明、藤原喜明、木戸修、高田伸彦、山崎一夫。新日マットはまたしても予想外の闘いの図式へエスカレートしていくのか

 

古舘実況

 

 前田「この1年半が何であったかを証明するためにやってきました」

■1985.12.12 宮城県スポーツセンター

「過激な出藍の誉れ、そして猪木と決別」

 アントニオ猪木&坂口征二 vs 藤波辰巳&木村健吾

<古舘実況>
 卍、掟破り。師匠を超えるためにあえて見舞った猪木の切り札卍、藤波辰巳の掟破りの逆卍だ!。さあ過激な出藍の誉れ、そして猪木と決別。猪木と決別するために、第二の闘い人生を歩むためにあえて藤波はこの卍を見舞っていった掟破り、まさに藤波の闘いのバラード、闘いのバラードが聞こえてくる。猪木と決別するためにあえて見舞った象徴的な逆卍。猪木が返した。ショルダータックル、藤波辰巳。藤波の心中がこれで安定を得るか。ドラゴーン、ドラゴンスープレックスホールド。ドラゴンスープレックスホールド。遂に猪木に見舞って藤波がフォール。猪木をフォール。藤波が猪木を超えたのか。世代交代をかけた大一番。藤波木村サイドに凱歌が上がった。

 

古舘実況

 

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■1986.02.06 両国国技館

「ポツダム宣言を繰り出すのはいったいどちらでありましょうか」

 アントニオ猪木 vs 藤原喜明

<古舘実況>
 リング上の226事件、昭和維新をもくろむこの反乱軍UWF。鎮圧に乗り出したアントニオ猪木でありますが、マット上は戒厳令が敷かれています。両セコンドには4人、4人が付いている。さあリング上の226事件、藤原喜明が猪木の息の根を止めるかアキレス腱固め。果たしてどちらに凱歌が上がるか、ポツダム宣言を繰り出すのはいったいどちらでありましょうか

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 かつての完全なる同胞、そして師弟関係。今夜牙をむき出しにして闘っている。この闘いの輪廻でありましょうか。闘いの輪廻、これが業火のように燃えさかっている。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 猪木も鬼神の表情だ。仁王のような表情だ。背後からスリーパー、アナコンダ殺法。さー藤原が落ちるぞ。おーっと藤原が落ちたか、藤原が落ちた、完全に顔面達磨大師の藤原が目をつぶってしまった。落ちた落ちた。

 

古舘実況

 

 前田「アントニオ猪木なら、なにをやっても許されるのか!」

■1986.04.29 津市体育館

「この一戦は暗黒のエンドレス・バウトになってしまうのか!」

 前田日明 vs アンドレ・ザ・ジャイアント

<古舘実況>
 アンドレ・ザ・ジャイアントは、この前田を仕留めるなら仕留めると、あえて前に向かっていって欲しいという気持ちがありますが、それを全くいたしません。先ほどからかなりの時間、ほぼリングの中央から全く動きません。ぐるっ、ぐるっと自分の肉体を回転させるだけであります。大きなろくろがほぼリングの中央で回っているという、そんな感じであります。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 この決着のつかない果てしない凡戦にあえてアントニオ猪木は何かを指示しに出てきたのでありましょうか?それとも己がリングに上がろうというのでありましょうか、猪木。いずれにしてもこの世紀の凡戦に業を煮やしたのでありましょう、猪木。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 また果てしない凡戦が続いてしまうのか。エンドレス・バウトか、この一戦は暗黒のエンドレス・バウトになってしまうのか!この後のプロレス史にも一つのエピソードを残してしまうような、この津市体育館の一つの暗黒のエンドレス・バウトになってしまうのか?果てしない凡戦と言っても過言では無い。前田は攻めあぐんでいる、キック攻撃は通用しない。

 

古舘実況

 

 この全く動きの無い異様なプロレスを30分間実況し続けた古舘アナ。まさに「天才」です。
 一部地域でのみ放送された?幻のビデオ

■1986.06.12 大阪城ホール

「ここが地獄の一里塚。ここで暗中模索、五里霧中となった前田!」

 藤波辰巳 vs 前田日明

<古舘実況>
 ともにイデオロギー上、引くに引けない闘いだ。藤波辰巳のサソリ、藤波の筋骨隆々、この筋肉が躍動した。渾身の力を込めてこの大技を炸裂させた。さあ勝負とばかりに乾坤一擲の大勝負とばかりに、さあ行った行った。さあ前田にとってはここが苦しい、前田にとってはここが地獄の一里塚。ここで暗中模索、五里霧中となった前田。しかしながら一筋の光明をここで見いだすのか前田日明。

 

古舘実況

 

 前田「ある島にやっとたどり着き、無人島だと思ったら仲間がいた」

■1986.06.17 愛知県体育館

「猪木は人間山脈の中で、遭難してしまうんでありましょうか?」

 アントニオ猪木 vs アンドレ・ザ・ジャイアント

<古舘実況>
 深紅の闘魂タオルを頭からほっかぶった状態で今、入って参りましたアントニオ猪木。頭を丸めておりますのレイのような花飾りを首から掛けますと、まさに闘う修行僧という、そんな様相も呈してくるわけであります。聡明な僧侶を彷彿とさせるような感じであります、アントニオ猪木。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 猪木は人間山脈の中で、遭難してしまうんでありましょうか?ここからなんとか逃れたいところであります。さあ、嵐が過ぎ去って、なんとか下山したいアントニオ猪木であります

 

古舘実況

 

■1986.10.09 両国国技館

「紫電一閃、抜けば玉散る氷の刃」

 アントニオ猪木 vs レオン・スピンクス

<古舘実況>
 延髄斬りで牽制していった。紫電一閃、抜けば玉散る氷の刃。あの延髄斬りを牽制気味に見舞っていきましたアントニオ猪木です。猪木の魂の千里眼、猪木の魂の千里眼がヒットするか。あのスピンクスの動きを先読みするでありましょうか。グローブを取って猪木がスピンクスの動きを先読みするか。マインドアイテム、魂の千里眼、アントニオ猪木

 

古舘実況

 

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■1987.03.26 大阪城ホール

※古舘伊知郎、最後のレギュラー実況放送

「これは要らぬお節介だ、要らぬお節介だ海賊男」

 アントニオ猪木 vs マサ斎藤

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 そして猪木コールの大合唱だ。武闘ロマンのメリーゴーランド。巡っては消え、巡っては消えてまいりました、幾多の名勝負。これがまた甦ってまいります。プラチナ製のアントニオ猪木のこのガウン、闘魂の肉体をこのガウンに包み込んで、アントニオ猪木が入ってまいりました。背中に闘魂の文字が浮き彫りになっている。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 延髄斬りの技をかけるとき、猪木は一瞬の時を超えて、未来永劫を駆け抜けるといわれておりますが、闘魂の居合抜きといわれる延髄斬り、はたしていつ炸裂するでありましょうか。

 

古舘実況

 

<古舘実況>
 海賊が入ってきた、謎の海賊男が入ってきた。ロープワークで猪木を責め立てるマサ斎藤。猪木ピンチだ股間を痛打。マサ斎藤が猪木が気をとられている、おおっとー、この海賊男はどちらに味方するのか、海賊男はどちらに味方するのか、おおっとー、マサ斎藤に手錠をかけようというのか。海賊男がマサ斎藤に手錠をかけている。これはどういうことだ。マサ斎藤が怒った。猪木は倒れ込んでいる。

 

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<古舘実況>
 猪木対マサ斎藤の決着を見たいだけに、これは要らぬお節介だ、要らぬお節介だ海賊男。顔面、素顔を見せて貰いたい。

 

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<古舘実況>
 ここでレフリーがストップをかける。流血の猪木が苦悶の表情。闘魂が苦しんでいる。闘魂が悲鳴を上げている。監獄ロック、一度かけたら死ぬまで離れないという、複雑怪奇な固め技。獄中で地獄の淵で編み出したとういうこのマサ斎藤の固め技によりまして、アントニオ猪木は既に目の前に三途の川を見ている。猪木は目の前に三途の川を見ているのか。幾多の名勝負で窮地に追い込まれて蘇生したアントニオ猪木がここでまた大ピンチに見舞われた。勝負の裁定は下っているが、屈辱の大技を最後は受けてしまいました。まさにめくるめく闘い模様。武闘ロマンのメリーゴーランド。

 

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<古舘実況>
 (エンディング)そして左手をあげたアントニオ猪木、もう一回このマット上でマサ斎藤とぶつかりたいという、これはアピールにほかならないでしょう。勝負の裁定は25分34秒、猪木の不本意ながら反則勝ちに終わった。しかしもう勝敗は関係ない。新日本プロレス猪木流の闘い、この流儀の中でアントニオ猪木が満身創痍の肉体を引きずって、今後どう自分の闘魂伝説に一ページを加えていくか。どう新たな闘魂伝説を幕引きに向かって構築していくか、この一点に興味が注がれるわけであります。この超満員の大阪城ホールからお別れしたいと思います。みなさん長い間ありがとうございました。ごきげんよう、さようなら

 

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■1988.08.08 横浜文化体育館

「二人の猪木が闘っている」

 藤波辰巳 vs アントニオ猪木

<古舘実況>
 肉体がレクイエム、攻撃がゴスペル、この2人の闘い模様はまさにバラードだ

 

 コブラ合戦だ、コブラ合戦だ。二人の猪木が闘っている

 

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<古舘実況>
 こんなシーンは見たこと無い。いかなる饒舌な言葉もこの二人には入り込めない。長州が猪木を肩車した。猪木が泣いている。藤波が泣いている。

 

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■1998.04.04 東京ドーム

「この男は格闘技の英雄か、それとも時代の娼婦なのか」

 アントニオ猪木 vs ドン・フライ

 

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<古舘実況>
 金に染め抜かれた「闘魂」の文字、今日が見納めであります。猪木コールの大合唱。熱い集会が行われております東京ドーム。猪木ボンバイエのテーマ。大合唱のさなか幟が立っている。猪木。いま人々の脳内にあるそれぞれの記憶の聖火が点灯しました。猪木が小走りだ。ご覧ください猪木のガウン。38年に及ぶ猪木の格闘人生。その重みが猪木の肉体に雪のように降り積もって見えます、純白のガウン。そして猪木の心の中にも粉雪が舞っているか。そしてこの衿は赤、帯も赤であります。メラメラと闘魂が燃えているんでありましょうか。猪木は小走りだ。人によっては20代の猪木を、世代によっては熟年の猪木を今思い起こしているんでありましょうか。今日ばかりはこのテーマソングがブルースに聞こえてならない。アントニオ猪木が今、ドン・フライと対角線上だ。

 

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<古舘実況>
 猪木のリングシューズ、黒いリングシューズ、そこに固く結ばれた白い紐。幾度、何千回この紐を猪木は自ら結んだんでしょうか。三本のロープがようこそと猪木を迎え入れた。リアルな55歳の部分と若い筋肉群が微妙におりなしている猪木の不可思議な肉体。どうしようもない時の流れ、そして闘魂。時間と闘魂が軋む。ブルースが聞こえる猪木の肉体。ゴングが鳴り渡りました。

 

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<古舘実況>
 コブラツイストだ、猪木のコブラツイスト。殺人フルコースだ。猪木の殺人フルコースだ。さあグランドコブラにもっていった。さあここからドン・フライがどうこらえるか、おーっとここでゴングだ。グランドコブラ。

 

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<古舘実況>
 猪木、短期決戦。ドン・フライにファイナルはグランドコブラ。ファンは猪木が桜散るのか、あるいは満開の季節に猪木が勝つのか、そんな中で猪木は今勝ち名乗りであります。ドン・フライを貫録でファイナルの試合、全く問題にしませんでした。ある意味では猪木の技量、テクニックを見せつけた試合。多くのファンを魅了し続けてまいりました猪木、そしてまた人々を今振り向かせております。この男は格闘技の英雄か、それとも時代の娼婦なのか

 

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■2023.03.07 両国国技館

「猪木さん、最後まで肉体のブルースを奏でてくれて、ありがとう!」

 アントニオ猪木 お別れの会

 

 

 

 

 

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<古舘実況>
 猪木さんが旅立つ4日ほど前、私はお見舞いに行きました。ベッドに横たわっている猪木さんを少しでも楽にさせる言葉が喋り手のくせに見当たりませんでした

 

 

 

 

 

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<古舘実況>
 私はただただ心のなかで、「猪木さん、猪木さんの周りにはまだいっぱい、猪木さんが魅力的な人間だからいーっぱい周りにいる!決して1人では死なせないよ」。この言葉だけを心に秘めて、むくんだ猪木さんの足をずーっとさすりました。お見舞いから帰る道すがら、「早く迎えに来てくれ!」と思いました。そして同時に、エゴイズム。「少しでも猪木さん生きてくれ!」とも思いました。猪木さんが旅立ってから、より一層猪木さんのことを考えるようになりました。

 

 

 

 

 

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<古舘実況>
 私の今ある言葉の一部は、猪木さんによって形作られています。だからこそ思い出します。猪木さん、あの1984年、パキスタンのカイバル峠、鬼のような行軍でした。みんな疲れ果てていた。そのとき、猪木さんがひょうひょうとダジャレをかましてくれました。そしてニコッと笑ったあの値千金の笑顔!それでみんなが救われました。

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 思い出します。あのときは夜中、六本木の芋洗坂、あのお店で猪木さんと歌わせてもらったイムジン河。様々なことが思い出されてきます。私はこれからも猪木さんのことを時折語り続けさせていただきます。

 

 

 

 

 

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<古舘実況>
 アントニオ猪木が旅立ってからおよそ5ヶ月と1週間あまり。なが~い旅路、今この此岸から彼岸への花道、ゆっくりと猪木が背中を見せながら遠ざかっていく。思えばこの背中に幾多のイメージが有りました。そしてこの闘魂ガウンの背中に数多の物語がありました。。

 すべてを見せつけ、すべてを抱え込んで、今猪木がゆっくりとあの世界へと進んでいきます。猪木!今我々に一瞬振り向いた!無言だ!また踵を返して進んでいく。猪木の身体が、小さくなっていく……。深く、深く、感謝します。猪木さん、最後まで肉体のブルースを奏でてくれて、ありがとう!アントニオ猪木!そしてさようなら、猪木寛至さん!

 

 

 

 

 

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 魑魅魍魎、百鬼夜行、跳梁跋扈、阿尾驚嘆、暗中模索、五里霧中、会者定離、四字熟語は古舘アナの実況で学びました。「出藍の誉れ」も覚えました。古舘伊知郎の名実況はまだまだありますが、多すぎて書き出しきれません。

 スタニスラウス・ズビスコ

 本名スタニスラウ・シガニエヴィクツ(1878-1976)、ポーランド生まれ。

 ポーランド出身の大レスラー、ララディスラウス・ウオルター・ピトラシンスキーを慕って、プロレスラーとなる。1906年パリで開催された「世界選手権トーナメント」で優勝。

 1910年に渡米、第3代NWAヘビー級チャンピオン、フランク・ゴッチに挑戦して敗れる。1921年6月25日、エド・ルイスを破り、第9代NWAヘビー級チャンピオンとなる。1922年3月22日に同じくエド・ルイスの敗れるまでベルトを保持した。

 1925年4月15日にはウェイン・マンを破って二度目のNWA王座奪取、第12代NWAヘビー級チャンピオンとなる。しかし5月30日にジョー・ステッカーに破れて王座を手放した。

 1926年には、インド・ラホール(現パキスタン・ラホール)で“コブラツイストの元祖”伝説のインド人レスラー、グレート・ガマと闘って敗れる。この試合は炎天下の大地でおこなわれ、20万人が観戦したという。1950年、映画『街の野獣』に老レスラー役で出演。1967年、アメリカ・ミズーリ州の農場にて死去。

 詳しくはブログ「ALAS, 廿軒家プロレス」を参照してください。

古舘実況

 以前このページで、「シュタミ・シュラウス・ドゥビスコ???よく聞き取れません。聞き取れたとしても、勉強不足につき多分わからない。いったい誰ですか??」と書いていましたが、その後の猛勉強によりわかりました。というか、ブログ「ALAS, 廿軒家プロレス」でみつけただけなのですが。世の中には詳しい方がいらっしゃるものですね。感服いたしました。

 

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