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闘いのワンダーランド #094
「I編集長の喫茶店トーク」

1980.09.30 日本武道館
木村健吾 vs チャボ・ゲレロ
藤波辰巳 vs ロン・スター
ボブ・バックランド vs スタン・ハンセン
アントニオ猪木 vs ケン・パテラ

「木村健吾のNWAジュニアヘビー級戦二試合」

I編集長・井上義啓

 どうも、今晩は。今日は、昨日ちょっと申し上げましたようにですね、木村健吾選手についてお話します。まあこれ、木村健吾の当時の色んなエピソードとか、そういったもんもお話したいんですけどね、ちょっと時間のほうが押しているようですので、そこまでお話できるかどうか分かりません。

 まあ、昨日見ていただきました試合と、今日見ていただきました試合というのは、もう御存知のようにですね、NWAのジュニアヘビー級の試合、NWAジュニアヘビー級と言っても、これは「インタージュニア」なんですけどね。「インタージュニアヘビー級」なんですけども、この試合なんですね。これは藤波が負傷して返上したタイトルなんですよ。このインタージュニアヘビー級のタイトル、ベルトというのは。これを木村健吾がピンチヒッターとして出ていってですね、7月23日でしたか、福岡での試合、これでブレッド・ハートを相手にして勝ってですね、それでベルトを腹に巻くわけですよね。インタージュニアヘビー級のチャンピオンになるわけですよ。で、これで二度目の挑戦で藤波が広島でぶつかっていってると、これが昨日見ていただきました試合なんですね。

 ですけども藤波はご存知のようにベルトを返上したぐらいですからね、よっぽど体調が悪かった。これはもう、申し訳のないところなんですね。ですから、そういった事でもう、体調回復ができてませんから、必死になって闘ったんだけれども、これでタイトルを取れないんですよね。私は取るんじゃないかと思ったんですけどね、これ、広島で。でそういうふうなことで(取材を)組み立てておったんですよ、本当は。組み立てておって、「こういうことで、こういうことで、こういうことで」と、試合前に司令も出してですね、組み立てておったんですけども、「コロッ」とひっくり返されてしまったんですね。取れなかったんですよ。藤波がタイトル奪回できなかったんですよね、これ。この時の試合が昨日見ていただきました試合で、今日見ていただきました武道館での試合、チャボ・ゲレロとの試合はですね、これは逆に、今度は木村健が左肩でしたかね、非常に「ガクッ」といきましてですね、「痛い、痛い」と言いながら出ていって、チャボ・ゲレロと闘ったという、非常に不運な試合だったんですよね。だからこの二つの試合をお話しましょう。

 9月25日の広島戦、これはまあ、見ていただきましたように、ドラゴンロケットで藤波が大出血しましてね。それで、ニードロップで上から木村健が飛び降りる、下から藤波がドロップキックで迎撃するというようなことで、相打ちとなって、結局は両者カウントアウトということになってしまったんですけどね。で、この時に私は全然覚えてないんですよ。これ、広島に私は取材に行ってるんですけどね、覚えてないんですね、これ。覚えてないんだけども、当時の週刊ファイトをめくってみますとですね、「藤波は試合中に三度笑った」と、三度ね、三度笑ったと(書いている)。それで、「木村は藤波の目しか見ていなかったけれども、藤波は木村の“手”“足”、体の全部を見ていた」と書いてある。だから、「何も見えていなかった木村と、すべてを見て闘っていた藤波との違いがここにあった」と。

 だから、木村が試合後にですね、「一から出直しだ」と言ったんですよね、これ。「一から出直しだ」と言ったのは、技的な意味じゃないですよと、私が言ったそうなんですよね。技的な意味じゃないんです。これ、精神的にですね、全く余裕がなかったですよね、これ。精神的に全く余裕がなかったことを表す一つの例としてですね、あとでいろいろ活字を見たりしますと、(木村健吾は)「あの時の試合を殆ど覚えていない」と言うんですね、木村健吾が、昨日見ていただきました藤波との試合をですね。だからニードロップで「ガーン」とやったこと・・・・・(あと5分)

 



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