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闘いのワンダーランド #102
「I編集長の喫茶店トーク」

1981.05.08 川崎市体育館
アントニオ猪木&長州力 vs スタン・ハンセン&ボビー・ダンカン
1981.05.26 大阪府立体育館
アントニオ猪木&ダスティ・ローデスvs スタン・ハンセン&ボビー・ダンカン

「藤波辰巳婚約の裏話、I編集長の大失敗」

I編集長・井上義啓

 えー、今日は、4月25日ということで金曜日だということですんで、給料日でもあるでしょうしね。ですからあんまり硬い話は抜きにして、ということで、軽いお話をですね、10分ばかりさせていただきましょう。

 この年、新日本プロレスには色々な事がありました。ありましたけども、その中の一つに、私にとっても非常に「コンチクショー」という話があったんですよ。それは何かといいますと、藤波辰巳ですね、藤波辰巳選手の婚約発表なんですよ。で、これは、マディソン・スクエア・ガーデンで発表されたんですよね、これ。6月の8日、向こう時間でいうと6月の7日ということになりますか。で、その時に、まあ、あとで4月30日(の放送)か何かでその時の模様が出てくるんですけどね。その時、かおり夫人がリングサイドに呼ばれて、藤波の婚約者だということで紹介されると、そういった場面が出てくるかと思います。

 今日はまあ、その藤波婚約の思い出話と言いますか、実は、この「週刊ファイト」のほうにですね、当時、プロレス関係者の方から電話が入ったんですね。「編集長、明日大阪の堺で藤波辰巳のですね、大阪後援会が結成されますので、編集長、必ず来てください。言っときますけども、オタクの記者とカメラマンじゃダメですよ、編集長が自ら来てください」とある人から言われたんですね、これ。仮にAとします。Aさんからそう言われたんです。でまあ私はですね、なんか私を引き出して、「週刊ファイトの編集長も来ておられます」ということで、箔をつけるんだろうぐらいにしか考えていなかったんですよ。「ああそうですか、じゃあ、Aさんの顔を潰すわけにもいかんのでですね、日頃からいろんな情報もいただいてますから、私が足を運びますよ」と、それで行ったんですよ。

 すると今度はBさんが出てきて、小声でですね、「編集長、きょうはジッと見とってください。ジッと見とってください。必ず何かに気付かれるはずですよ」と。色んな人と話をしてますわね、私とか藤波とか色んな人と。その合間を縫ってBさんが「サーッ」と近づいてきて、私の耳元で「コソコソッ」耳打ちをして、「パーッ」と行ったのを覚えてますね。「ジッと見とってください。必ず何かあります」と。「何だろうな」と、そう思っとったところが、くだんのAさんがやって来てですね、「編集長、ご紹介しておきましょう。今日ここの大阪後援会をですね、取り仕切ってもらうというか、バックアップしてもらうというか、そういう有力な後援者の一人である沼谷製作所の社長さんです。その社長さんをご紹介しましょう」と。「あ、そうですか」ということで名刺を交換してですね、まあ、色んな話をしたんですよ。

 話をしとったところが、「おかしいな」とは思ったんですよね。あまりプロレスのことをご存じないんですよ。まさに有力メンバーであり、スポンサーである沼谷さんがですね。だから、その時に「おかしいな」と思わなくちゃいけなかったんだけども、そういうことは、ちょいちょいあるんですね。プロレスにはあんまり関係のない人がいろんなことから、言われてですね、スポンサーになったり、入場券を、チケットを、これを300枚買ったりですね、そういったことはいろいろあるんで、ま、それだろうと思っとったのが、これが大きな間違いだったんですよね。まあ、そういった事であれをして、わたしはまあ、「コロッ」忘れてしまってたんです。見とったところ、何にもないですね、通常ありふれた大阪後援会。ただ、「おやっ?」と思ったのはひとつあったんですよ。最初はTシャツを着たプロレスファンが「ワーッ」と来とると思ったんですよ。思ったところが、みんな背広を来てですね、きちっとしたフォーマルスーツを着たりですね、そういった人たちが非常に多いんですね。中には女性も多くて、着物を着たりしているわけですよ。そういった人がたくさんおられるわけですよ。だから「あー?」とは思ったんですよね、これ。「これはわりかし格の高い後援会なんだなぁ」と思ったんですけど、藤波後援会というのは、広島でも出来たし、色んなとこにあるんですよね、これ。ですからまあ、そんなにね、気にもしなかったんですよ。

 これだったんですよ。だからそのBさんやAさんがですね、私に何を言おうかと、何を言わんとしておったかというのは、こういうことなんですよ。沼谷かおりさんという女性と、藤波とがね、婚約した仲なんですよと、これをまともにですね、「実は、こうこう、こうなんですよ」ということを言うわけには行きませんからね。仁義に反しますからね。言えない、言えないんだけども、察して、見破って欲しいというね、見破ってほしいという、そういった思いがあってですね、私にわざわざ「編集長、編集長自ら行ってくださいよ」とか「編集長、今日は見とってくださいよ、なんかありますよ、かならずなんか気付かれるはずですからね。ジッと見とってください」とコソッと耳打ちをして「パーッ」と逃げてしまうと。そういったことをAさんBさんがしたというのは、そこに理由があったんですよ。私にですね、この「特ダネ」を抜いてほしかったんですね、やっぱり。日頃からの関係がありますからね。まして大阪でしょ、これ。大阪なんですよ。だから、そういうことがあって、私に耳打ちしてくれたんだけれども、残念ながら私はですね、そういった事に疎いもんですからね、それに気付かなかったんですよ。気付かなかったんですよ。

 それで、この6月8日マディソン・スクエア・ガーデンでの試合でね、これは4月30日ですか見ていただきますけども、そこで婚約発表ということでですね、「ゲーッ」と驚いたんですよ。で、無論それだけじゃなかったんですよね。その相手の女性が誰だと言ったら、「堺にお住まいの沼谷かおりという人ですよ」と。「堺」「沼谷」と聞いて私は飛び上がったんですよ、これ。「しまったー」と・・・・・(あと5分)

 



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