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アントニオ猪木 むかし話(2023/07/07更新)

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■ワルイコあつまれ(NHK Eテレ)
絵:鳥丸弘光

絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ

 2023年7月1日(土)にNHK Eテレで放送された番組「ワルイコあつまれ」の「芸能人むかしばなし」のコーナーでアントニオ猪木氏が取り上げられました。放送を見逃した方はNHKプラスで、どうぞ。放送受信契約のある方は、無料でご覧になれます。見逃し放送の期間が終了する前に、お早めに!

------むかしばなし「アントニオいのき」------

■横浜で生まれた
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 1943年2月20日、アントニオ猪木は横浜市鶴見区で11人兄弟の九番目の六男として生まれました。
 本名は猪木寛至

■ブラジルへ
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 猪木が五歳の時お父さんが亡くなってしまいました。実家は石炭を売る卸問屋でしたが、閉鎖し、14歳の時、兄の発案で一家は仕事を求め、家族全員で横浜から船でブラジルへ渡りました。船でブラジルに向かっている最中に悲しい事件が起きます。

■悲しいできごと
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 おじいさんが船の中で熟していないバナナを食べて亡くなってしまったのです。自分を可愛がってくれたおじいさんを海に流し、猪木は、絶対いつか成功すると誓いました。

■過酷な日々
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 ブラジルに移住した後は、過酷な日々が待っていました。早朝5時に起きて夕方の5時まで農場でコーヒー豆を収穫。手袋は破れ、手の皮がむけて血が噴き出し、傷が治る暇もなく、毎日12時間以上働かなければなりません。電気もトイレもない生活の中で、希望を抱いて移住したみんなの夢は消えていきます。猪木のお母さんは毎晩泣いていたそうです。

■陸上競技に打ち込む
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 そんな生活に1年半耐えた後、一家は落花生の栽培を始め成功します。その頃、猪木は全ブラジル陸上競技大会の円盤投げと砲丸投げで優勝。身体能力がたくましく変化してきました。猪木はサンパウロの市場で働きながら、陸上競技場での練習も行うという生活を三ヶ月ほど続けた頃、奇跡の出会いが起きます。

■奇跡の出会い
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 たまたま、ブラジルに遠征中だった日本プロレス界のスター、力道山の目にとまり、猪木は直々にスカウトされたのです。毎日長時間コーヒー豆を収穫するなどを過酷な労働が、猪木の体を鋼のようにしていたのです。その体を見た力道山は言いました。「よし、日本に行くぞ!」と入門を許可。

■ジャイアント馬場と同期入門
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 猪木はブラジルに家族を残して単身帰国し、1960年9月、17歳でプロレスラーとしてデビューします。同じ日にデビューしたのがジャイアント馬場。力道山は馬場にはデビューからわずか九ヶ月でアメリカ遠征に出発させて英才教育をします。

■修業時代
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 かたや猪木は、力道山の家に住み込み、付き人として24時間体制で雑用をこなし、日々、怒られながら厳しい修行生活を送りました。なんと3年半、この厳しい日々の中で力道山が大衆のヒーローとして振る舞う姿、戦う姿、「闘魂」を学んでいったのです。

■ストロングスタイル
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 猪木は力道山の死後、力道山流の喧嘩プロレスと英国式の本格的なレスリングを融合させたストロングスタイルを作り上げました。そして1972年、「新日本プロレス」を立ち上げると、猪木の新たなストロングスタイルに日本中の人が熱狂しました。

■とんでもない試合
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 1976年6月26日、猪木はとんでもない試合を行うことになりました。ボクシング世界王者のモハメド・アリとの異種格闘技戦。現役のボクシングの世界王者とプロレスラーの戦い。世界中が注目しました。戦うまでにルールがどんどん猪木に不利になっていく。立った状態でのキックは禁止、頭突き・タックルの禁止、ヘッドロック、バックドロップも禁止、ルールでがんじがらめにされながら、猪木はすべてを受け止めました。

■世紀の凡戦
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 そんな中、ゴングは鳴りました。すると、猪木はリングの上に仰向けになったのです。そうです、アリのパンチが自分の体に届かないようにしたのです。体を上げることなく、仰向けのままアリにキックを放つ「アリキック」をするだけの猪木。結果、世界中の注目を集めながら大きな動きもなく、引き分けに終わったアリとの試合。当時は世界中から避難の声が浴びせられました。「世紀の凡戦」と。

 ですが、この試合は、時間がたつにつれて評価を得ていきます。あのがんじがらめのルールの中での猪木の戦い方に対して「世紀の凡戦」と言われた一戦は今や時代を変えた「世紀の一戦」と語り継がれているのです。この後も、様々な格闘家と試合を重ねて話題を作っていった猪木。プロレスラーとしてもリングの外でもみんなをワクワクさせてくれました。

■また旅に出たい
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 そして2022年、病におかされた猪木さんは自分の姿を撮影し、世の中に見せていきました。隠すことなく、病気と闘う姿。猪木を50年撮り続けたカメラマンとの最後の食事の時、猪木は「また旅に出たいね」と言った後、両目を大きく開けて言いました。「バカの一人旅」

■旅は続く
絵:鳥丸弘光
 NHK放送画面キャプチャ 絵:鳥丸弘光

 子供の頃をブラジルに渡り、力道山と出会い、プロレスラーになり、無茶だと言われる闘いをたくさんおこなってきたアントニオ猪木。2022年10月1日、その旅を終えました。今はまた、空の上で旅をしながら言っていることでしょう。

「元気ですか!

 元気があれば何でもできる。

 さあ、皆さんご唱和ください。

 1・2・3、ダーッ!」

-------おしまい-------

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 長々と引用したので、NHKさんに怒られるかも・・・・目いっぱいリンクを貼って宣伝しましたので、なにとぞ転載をお許しください。

 

 

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