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全盛期の馬場vsアンドレ(2022/06/01更新)

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■アンドレ・ザ・ジャイアント/ジャイアント馬場
アンドレと馬場
週刊ファイト(1990.11.15号)より

 I編集長は、「“アンドレ・ザ・ジャイアント vs. ジャイアント馬場”、この凄まじい闘いになる試合を今やらなかったら、このカードは永久に埋没してしまう。“この試合はやるべきだった”と後悔する時が必ず来る。どんなことがあってもやるべきだ」と週刊ファイトに書き続けました。

 このお話は、1997年1月20日放送のサムライTV「闘いのワンダーランド~I編集長の喫茶店トーク」で語られています。今回はその一部を書き起こしてみます。

■I編集長の喫茶店トーク
井上義啓
サムライTV「闘いのワンダーランド」画面キャプチャ

(I編集長) 田園コロシアムのアンドレvs.ハンセン、全盛期のこの凄まじいアンドレの試合を見て私が何を思ったかと言いますと、やっぱり「馬場さんと試合をして欲しい」ということです。非常に一般的でビギナー的な発想なんですけども、これを強く感じていましたよ。これは当時、実現の可能性が全く無かった試合だから特にそう思ったんですよね。少しでも可能性があったら、そんなことを「ギャーギャー」言う必要も無いですけど、まるっきり可能性の無い試合だったからこそ、私は「ジャイアント馬場vs.アンドレ・ザ・ジャイアント」の決戦をやるべきだと何回も週刊ファイトに書いたんです。そうすると例によって「お前、バカか」と言われましたよ。「実現するわけが無いじゃないか」と。私だってそんなもん、百も承知なんです、百も承知なんですよ

■ジャイアント対決
アンドレvs馬場
1980.6.18 Hawaii(週刊ファイトより)

(I編集長) どちらのジャイアントが強いのか、私はその試合を見たかったし、ファンの皆さんも見たいと思ったはずですよ。なぜこんなこと言うかといいますと、昔バーン・ガニアが国際プロレス時代に来日したときに、興味深い話をしてくれたことがあるからなんです。広島で試合があった時にですね、ガニアを広島の原爆資料館とかいろいろ案内して回ったんです。そこでいろんな話をしました。

■バーン・ガニアin広島
バーン・ガニアin広島
週刊ファイト(1999.8.17号)より

(I編集長) その時にガニアが「アメリカのレスラーの間で、実際に強いのは誰だ、リング上の闘いじゃなくて、本当に真剣勝負でやったらどうなるんだ、という話になった。それでドリー・ファンク(これはドリー・ファンク・ジュニアの父親ですね)、そういった連中と荒野のど真ん中にある農場で密かにセメントマッチをやったことがある」と話してくれたんです。

■ドリー・ファンク(シニア)
ドリー・ファンク(シニア)
週刊ファイト(1982.1.12号)より

(I編集長) その腕試しの試合で誰が勝って誰が負けたかを聞いたんですけど、結局それだけは絶対に教えてくれなかったんですよ。笑ってね「それは言わない」と。やっぱりそういったことを昔のトップレスラー同士はやっていたんですね。「俺の力はどこまで通用するんだ。あのレスラーとやったら勝つのか負けるのか、どこで参ったするのか」と、レスラー同士でもやっぱり知りたいんですよ。だから馬場とアンドレのジャイアント決戦にしてもね、みんなそういった興味を持ってるんだから、密かに闘ったらいいじゃないかと言ったんですよ。まぁ、当然実現する話じゃ無いですよね、これ。

■ファンク農場
ファンク農場
週刊ファイト(1982.4.27号)より

(I編集長) もちろん私もそういうことは分かっておったけれども、「“馬場vs.アンドレ”を今やらなかったら、この凄まじい闘いになるはずのカードが永久に埋没してしまう。“この試合はやるべきだった”と後悔する時が必ず来る。だからどんなことがあってもやるべきだ。日本でダメならアメリカかハワイでやったらいい」と、週刊ファイトの紙面に書いたんですよ。なぜハワイかと申しますと、当時馬場さんは年に何度かアメリカへ行って、試合をやっていましてね。あるとき、ハワイでバトルロイヤルが組まれたんですよ。そのメンバーとして馬場さんとアンドレが同時に出場したんです。このバトルロイヤルのリングで、アンドレと馬場とが2回か3回やり合うシーンがあったんですよね。これがアンドレと馬場とがホントの全盛の時代にやりあった唯一の場面じゃ無いですかね。僕はそういった試合を見たことから、「アメリカでなら可能性があるはずだ」と、そう言ったんですよね。

■ハワイ決戦? 馬場vsアンドレ
アンドレvs馬場
1980.6.18 Hawaii(週刊ファイトより)

(I編集長) 結局、二人の“ジャイアント”対決、全盛期のアンドレ・ザ・ジャイアントとジャイアント馬場とのナンバーワン決戦は実現しなかったけれども、せめてもの救いと言うのが、晩年になって二人が全日プロのリングでタッグで対戦、そしてジャイアント・タッグを結成したことでした。これでファンの夢を叶えたんです。

■1990.9.29 ジャイアント・タッグ
ジャイアント・タッグ
(週刊ファイトより)

(I編集長) 私はそれを見た時に「本当に良かったー」と思いましたよ。かつてのような壮絶な試合はできない、全盛時代は過ぎている、しかしこの二人が同じリング、戦場に立っているじゃないかと。

■1990.9.30 全日のリングでの対戦が実現
アンドレvs馬場
(週刊ファイトより)

(I編集長) 私が「感覚のプロレス」だと言うのは、そういうことなんですよね。その場に立ってそういった状況を見て、その時に「どう感覚するのか」ですよ。同じコーナーに馬場とアンドレが立って二人でタッグを組んでいる光景に何を感じるかですよ。その試合がどうだったのかは関係ないんです。それを見ただけでね、私は「これで良かったんだ」と感じましたよ。

■I編集長の喫茶店トーク
井上義啓
サムライTV「闘いのワンダーランド」画面キャプチャ

 この放送の喫茶店トークの全編は、今週発売のweb版週刊ファイトに掲載される予定です。ボツにならなければ。

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