「週刊ファイト」(1974年)より
1974年10月10日、蔵前国技館 猪木vs.大木戦。ストロング小林に勝利して「実力日本一」を宣言した猪木に、大木金太郎は「俺に勝たずして何が日本一か!」と挑戦状を叩きつけた。この一戦は日本プロレス時代からの因縁浅からぬ闘いだった。事実、大木金太郎は猪木のデビュー戦で勝利して以来、この日の対戦まで猪木には負けたことが無かったのだ。
しかし、対戦が決定した時点では立場が完全に逆転していた。猪木はNWF世界チャンピオン、大木は日本プロレス崩壊後の闘いの場を求めて、馬場、猪木に「挑戦状」を送る立場だった。
I編集長は、「力道山の門下生対決」と「受けの凄み」の視点からこの名勝負を語る。
■闘いのワンダーランド #009(1996.12.12放送)
「I編集長の喫茶店トーク」
1974.10.10 蔵前国技館
NWF世界ヘビー級選手権試合
アントニオ猪木 vs. 大木金太郎
(I編集長) 大木金太郎がまだまだ力を残しておった時代の試合ですからね、これ。僕はまあ、名勝負の中に入れてますけどね。ハッキリ言って猪木は、当時の大木さんの力(ちから)はここまで、というふうに見ておったところはあるようですよ。その当時は言わなかったけどね。やっぱり大木金太郎っていうのはヘッドバットしか無かったし、だからあの、一本足頭突きをかいくぐったら、もう後はオレの勝ちだと言う自信が猪木にはあったと思うね。ただ、大木っていうのは喧嘩屋でもあるんでね、ハッキリ言ったら、試合でも強かったけど、実際に喧嘩となるとコレほど怖い男はおりませんでしたからね。
「週刊ファイト」(1974年)より
(I編集長) だからあの、いつだったかな、控室で猪木と話をしておった時に若手レスラーが近寄って、「大木さんが来てます」ってね、「コソコソッ」と猪木に言ったんですよ。そしたら猪木の顔が変わったですからね。サーッと青くなったからね。だから猪木がいかに“喧嘩屋”大木金太郎というのを恐れておったかということですよ。猪木の顔色が、真っ青に、真っ青じゃないけども変わったのを見たというのは、天にも地にもあれがいっぺんキリですよ。
■「何、大木さん?」
「週刊ファイト」(1975年9月16日号)より
(中略)
(I編集長) だからやっぱりこれ、非常に難しいのはね、大木と猪木の人間的な関係というのが、実は強かったということですよ。絆っていうのが深かったですよ。というのは、日本プロレスに入った時のことですけど、大木はハッキリ言って韓国人なんですよね、それで先輩のレスラーとかそういった連中から、「コノヤロウ」といじめにあっていたと。そんな時に、猪木はブラジル人じゃないんだけどね、大木は猪木をブラジル人だと信じてたんですね。当時のブラジル人二世という触れ込みを真に受けてね、オレは韓国人、お前はブラジル人、日本人とは違うんだから、お互いに仲良くしていこうっていうんで、無い金をはたいて焼き肉なんかをおごったと言ってますよ。猪木が初めて焼き肉を食べたのはその時だという話もあるしね。だから猪木としてみたらね、「大木さん、寛ちゃん」という仲だったんですよ。
「週刊ファイト縮刷版」より
(I編集長) 今のファンは感じないだろうけども、猪木vs.大木戦は力道山の門下生対決だったんですよね。我々にはやっぱり大木金太郎といえば力道山の直系みたいなもんですからね。ましてやそれが日本プロレスを最後まで必死になって守っておった男ですから。だからそういた意味では、力道山の門下生の闘いだという感覚が非常に強かったですよ。だから、コレを見た最近の若い連中には、この試合のバックに居る力道山というのを感じることはできないはずですよ。だけど本当は力道山がバックにおってね、ハッキリ言ってレフリーをやっているのは力道山だということですよ。
■レフリーは力道山
「週刊ファイト」(1982年10月28日号)より
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久しぶりのHP更新です。最近、「週刊ファイト – 武道・プロレス・格闘技の”見る本”電子書籍」というサイトに、当サイトの「I編集長の喫茶店トーク」のコーナーをリメイクした記事を掲載してもらっています。
これまでは、当サイトの「I編集長の喫茶店トーク」のページでは、井上節をとことん忠実に再現した書き起こしで掲載していました。ひたすら文字だけの完全にマニア向けのページで、読むのも一苦労なのは承知の上で、個人的な趣味・記録という意味で掲載していたものです。
これをメジャーなサイトに掲載して広く読んでいただくために、関連の写真などを随所に入れ込んで、見やすく面白い記事にリメイクしてみました。Y・I節も文字だけではわかりにくいところは積極的に補足しています。よろしければ電子版「週刊ファイト」のページをご覧ください。
■[Fightドキュメンタリー劇場⑨]猪木vs.大木 「業界の掟を破った猪木。そこが凄いところですよ」
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これもアントンの弟特性の甘え上手か>ジャイアント馬場とアントニオ猪木 殿堂への道にあった「1杯のそば」(スポーツ報知)#Yahooニュース
— イエデビ【黄色い悪魔】 (@yelldevi) September 15, 2021
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削除ドタバタ経て再発表 猪木、馬場、鶴田、藤波、長州、天龍が2021年殿堂入り#アントニオ猪木 #ジャイアント馬場 #ジャンボ鶴田 #藤波辰爾 #長州力 #天龍源一郎 #殿堂入り #nph #日本プロレス殿堂会 https://t.co/idXUrJM6vS pic.twitter.com/ugNWTeaaG9
— 週刊ファイトWeekly Fight (@miruhon) September 14, 2021