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1977年1月、スタン・ハンセン新日マット初登場(2022/01/23更新)

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 「週刊ファイト!ミルホンネット」というWebサイトに、当ページの「I編集長の喫茶店トーク」のコーナーをリメイクした記事を掲載してもらっています。今回は、闘いのワンダーランド #029(1997.1.14放送)から、「1977年1月、スタン・ハンセン新日マット初登場!」です。リンクのサイトでは無料でも冒頭部分が閲覧できるようになっています。

■闘いのワンダーランド #029(1997.1.14放送)
「I編集長の喫茶店トーク」
1977.02.02 大阪府立体育会館
 アントニオ猪木 vs. スタン・ハンセン
 坂口征二&ストロング小林
  vs. タイガー・ジェット・シン&上田馬之助

■アントニオ猪木vs.スタンハンセン
アントニオ猪木vs.スタンハンセン
週刊ファイト1980年5月20日号より

 1975年9月の全日本プロレス「ジャイアント・シリーズ」に初来日したスタン・ハンセンだが、翌年、ニューヨークの試合でサンマルチノの首に大怪我を負わせてしまった。そのハンセンは戦場を新日本プロレスに改め再来日を果たした。プロモーターからは敬遠されつつあったハンセンに猪木はどんな試合をさせるのか、I編集長の興味はこの一点だった。

(I編集長) ハンセンといいますと、最近の若いファンの方たちは、始めから新日に上がっておったんだと、そして全日本プロレスがハンセンを引き抜いて全日に移ったんだと、そういう風な認識で見ておられる人が非常に多いと思いますね。ところがそうじゃないのであって、最初、第一回目に来日した時は、全日本プロレスのマットに上がってるんです、昭和50年ですね。

■全日本プロレスにハンセン来日
ハンセン来日
週刊ファイト1975年9月15日号より

(I編集長) プロレスの試合っていうのは、ご存知のようにAが攻めておる時にはBがそれを受ける、それが終わったらBが攻撃に転じてAがそれを受けると、そういった微妙な間合いがあるもんなんですよね。それによってプロレスは成り立っている訳ですよ。ところがハンセンは、それを無視して掟破りをするわけです。だからそういった点で、ジャイアント馬場あたりも顔をしかめてましたよね、「あんなことをやられたんじゃ、たまらん!」と。

■「あんなことをやられたんじゃ、たまらん!」
ジャイアント馬場
週刊ファイトより

(I編集長) ハンセンというと皆さんご存知のように、サンマルチノの首をへし折ったということで、一躍有名になった男なんですよね。これも結局、今申し上げましたように、ハンセンは攻めの間というものを全然無視して闘いますから、対戦相手は受け身が非常に取り難いんですよ。ハンセンが上手に投げることができれば、相手にそういった怪我をさせることは無いんです。ハッキリ言えば当時のハンセンは下手なんですよ。だから、勝手に「バーン」とやるもんですからサンマルチノにしても受け身が取れなかったんですね。

(I編集長) その後の80年代のレスラーは、ブローディにしてもホーガンにしてもそうですけども、同じようなハイスパートなレスリングをしますよ。しかしこれはハンセンが初めてだったんですよね。「ドーン」と叩きつけて瞬間的に走って、叩きつけられたレスラーが体勢を立て直した時には、もうラリアートが「ガーン」と来るわけですよ。そういったレスリングは、当時はしてはならなかったんですよ、これはね。馬場さんが嫌っていたのもそこなんですよ。だからプロモーターが「あーっ」とこんな顔(しかめっ面)をして嫌うレスリングを新日本プロレスがハンセンに許すのかどうか、これが非常に興味深かったんですよ。

■ラリアートが「ガーン」と来る
ラリアートが「ガーン」と来る

(I編集長) ところが猪木はそれを許したんですね。猪木とハンセンとの試合で、皆さん記憶に残っておられるのは、ラリアートの相打ちだろうと思います。そういったことをやったのも、やっぱり猪木ならではのアイディアというか、ハンセンの持ち味を生かしたということなんです。だから、そこら辺がね、今日見ていただきまして、「凄いな」、「なるほどな」と分かってもらえたらそれでいいんですね。

■ラリアートの相打ち
ラリアートの相打ち
週刊ファイトより

(I編集長) だから、ターザン先生、彼が好きなのが黒澤明の「七人の侍」。ここで宮口精二が出てきますわね。それで木刀を持って果たし合いをやると。「バーン」と一緒にやって「相打ちじゃのう」と片一方が言いますわね。「いや、おぬしが負けだ。真剣だったらおぬしは死んでいる」と宮口精二がそう言いますわな。「じゃあ、真剣を使ってやろう」ということになって、同じように「ガーン」とやるわけですけども、今度は相打ちにはならないですよね。刀の切っ先が自分に触れる前に先に相手に入ってますから、相手の方が「バターッ」と倒れると。

■黒澤明の「七人の侍」
黒澤明の「七人の侍」
DVDジャケットより

(I編集長) だからその決闘とか、格闘とか、果たし合いとか言うのはもう、本当にね、一瞬、一秒の何十分の一かで決まるんですよ。それをやって見せたのが、猪木ですよ。これからハンセンがこの番組には何回も出てくることになるでしょう。みなさんは、そういったことを頭に置いていただいて、ハンセンと猪木、ハンセンと坂口、ハンセンと小林、そこら辺の試合を見ていただきたいと思います。

■坂口征二vs.スタン・ハンセン
坂口征二vs.スタン・ハンセン
週刊ファイトより

(I編集長) 一連の闘いの中で、猪木vs.ハンセンのカードのクライマックスというのは、例の相打ちですけど、そのうちこの番組でも出てきますから、その時にまた詳しいお話をするとしましょう。今日はハンセンが来日した直後のあれこれ、そういったものをお話しして終わりにします。どうもありがとうございました。

■1981年4月23日 蔵前国技館
1981年4月23日 蔵前国技館
週刊ファイトより

「ファイトクラブ公開中」

 「週刊ファイト – 武道・プロレス・格闘技の”見る本”電子書籍」

 今回も喫茶店トークの一部のみの紹介でした。スタン・ハンセンは1981年12月13日、全日本プロレス「世界最強タッグリーグ戦」の最終戦に突如姿を現し、ファンを驚かせました。その後約20年に渡って全日本プロレスを主戦場にしたハンセンですが、オールドファンには、たった5年弱のアントニオ猪木との闘いのほうが印象深いのです。ハンセンが全日に移籍した時に猪木は「ハンセンのピークは終わっている。惜しいとは思わない」とコメントしました。ハンセンの実力が急上昇していく過程を「旬」と考えれば、その後に安定していくハンセンに対して、猪木は興味が無かったのかもしれません。

 今回の喫茶トークでも唐突に「美空ひばり」「黒澤映画」の話に。やっぱりI編集長語録は味わい深いです。

 全部でA4で12ページの記事になっています。web版週刊ファイトでは、I編集長のトーク全文を掲載しています。「ファイトクラブ公開中」のサイトにもアップされていますので、ご覧いただけます。

■電子版「週刊ファイト」公開ページ

電子版「週刊ファイト」公開ページ

 これまでは、当サイトの「I編集長の喫茶店トーク」のページでは、井上節をとことん忠実に再現した書き起こしで掲載していました。ひたすら文字だけの完全にマニア向けのページで、読むのも一苦労なのは承知の上で、個人的な趣味・記録という意味で掲載していたものです。

 これをメジャーなサイトに掲載して広く読んでいただくために、関連の写真などを随所に入れ込んで、見やすく面白い記事にリメイクしてみました。Y・I節も文字だけではわかりにくいところは積極的に補足しています。よろしければ電子版「週刊ファイト」のページをご覧ください。

■[ファイトクラブ] スタン・ハンセン新日マット初登場
電子版「週刊ファイト」公開ページ

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