ターザン山本! と『週刊プロレス』season.9-10
「直木賞作家 村松友視が猪木を追求/「プロレスの味方」が前田日明に味方した!?」
を視聴しました。
内容はその表題の通り、週刊プロレスの不定期連載「アントニオ猪木vs村松友視のテーブルマッチ」で、村松友視さんがアントニオ猪木氏に厳しい質問を次々と投げかけています。Show大谷さんは「山本編集長(ターザン山本)が村松さんを使って、普通は聞けないような質問をさせたんだろう」と言っています。当のターザンはとぼけて笑うばかりですが、まんざらでも無い表情です。仕掛け人であることは明らか。
■週刊プロレス 1988年1月5日号
該当の週刊プロレスは、1988年1月5日、12日の合併号。ターザン氏と大谷氏でこれだけ盛り上がって話されると、探し出して記事を読み返してみなければなりません。
週刊プロレスは、創刊号から猪木氏が参議院議員になってセミリタイヤするまで毎週買っていたので、手持ちのバックナンバーを調べてみたらありました。
村松友視)
ふぐを食べると死ぬかもしれないと言う恐怖は快感と背中合わせ。そのあたりは猪木さんのプロレスと非常に似ている。ただUWFの出現で、猪木さんが出していたのはふぐの肝ではなくて、アンコウの肝だったという主張が出てきた。猪木さんはペールワンやシンの腕を折ったり、グレート・アントニオの顔面を蹴りつけたり、パク・ソンナンの試合でも凄まじい仕打ちをしたりした。プロレスの“危険な毒”を次々と表現してきたのに、前田選手のことを「プロレス道にもとる」といった意味がわからない。
アントニオ猪木)
板前に信頼が無いと、お客はふぐの肝を食べない。そこにプロレスという選手のプライドが関わってくるわけです。仕掛けるなら正々堂々と正面から仕掛けろ。前田は“毒”の調理法を示さないまま“毒”を出したから、今回こういう処分をした。レスラーが信頼を失ったら駄目なんです。
■アントニオ猪木vs村松友視のテーブルマッチ
週刊プロレス 1988年1月5日号より転載
アントニオ猪木)
人を批判する感覚というのは、前田に限らず誰でも持っていることですが、それと同じだけ自分の中に目を向けることが十分の一もできていない。
村松友視)
前田事件の具体的な点に戻ると、あの蹴りは故意だったのですか?、それとも偶然だったのですか?
アントニオ猪木)
コレは微妙ですね。偶然であれば、これはしょうが無い。故意であっても正面を切って勝負を挑み、プロレスの枠を超えた闘いなら、これもしょうが無い。
村松友視)
たとえば猪木さんがパク・ソンナンの目玉をくり抜いたと言われる試合は?
アントニオ猪木)
観客にはわかっていないが、選手にはわかっている。
村松友視)
でも、とてもじゃないがパク・ソンナンには報復する力量が無かったのでは?
アントニオ猪木)
その辺は難しいところですけど、私はあのときリング下で大会委員長に「やりますよ」と意思表示をした。そして確かにその先のプロレスを超えた世界だった。私の行為も含めて、相手を傷つけることに専念する行為はプロレスでは無い。
村松友視)
でもそれは手加減することがプロレスだと思われる危険性がある。
アントニオ猪木)
戦争にたとえるとわかりやすい。細菌兵器とか核兵器は使わないというルールがある。これはやってはいけないことなんです。プロレスでも私もやったけど、いけないことなんです。でも“前田事件”と違うのは、やらなければ自分が逆にやられていたと言うケースです。やらざるを得ない状況で相手に何度も警告を発してからやってきた。そこにはあくまで“プロレス道”があるんです。前田がそれをわかるかわからないかの問題なんです。
週刊プロレス 1988年1月5日号より転載
アントニオ猪木)
前田は故意に狙ったと判断する人が非常に多い。私も苦しいんですよ。
村松友視)
前田は、UWF時代のスーパー・タイガーとの試合、新日での星野や上田との試合でもある枠を超えた試合をやって、ファンの熱狂的な支持を得ていたというのは、その段階ですべての相手に警告を与えていたことにはなりませんか?
アントニオ猪木)
それはあるんじゃ無いですか。アントニオ猪木はそれを明確に表現している。前田はそれほど明確では無い。そこのところを確認しないと問題は解決しないんです。「これだけはやっちゃいけない」というものがないといけない。
村松友視)
どれだけ毒を含んでいるかという感覚はものすごい財産なわけでしょ。プロレスが活性化して生き生きとしていれば、いくらでも魅力的な毒を含んで輝いていけるわけですよね。ずっと“毒”を料理してきた猪木さんだから、前田選手の危険な毒を光らせる方向で問題の処理を考えて欲しいですね。
アントニオ猪木)
そうですね。毒を消す方向へ行ったんじゃ駄目でしょう。でもいつも毒を出していたら、皆その毒に飽きて食わなくなりますよ。
何度読み返しても猪木の言っていることがよくわからないのですが、わかったような気にもなる。アントニオ猪木自身も「自分のやったことも、『やってはならないこと』だ」と認めています。それでも続けることができたのは、“毒”のさじ加減が絶妙だったからでしょう。この対談でも猪木は記事になりそうな言葉を随所に織り交ぜてケムに巻いている、絶妙な上手さを感じます。「テーブルマッチ」もまた、プロレス。ターザン山本のシュートを猪木はプロレスで受け止めた?
週刊プロレス 1988年1月5日号より転載
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自分も前田日明が単に好きで重量級って言ってるのかと思ったらこんな理論があったのか
— モズコ格闘技・格闘家をリスペクト中 (@ch43535290) October 17, 2020
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