1979.6.16 猪木vsジュベール
1979年6月16日(現地時間)、パキスタン・ラホール市 カダフィ・スタジアムで行われた「アントニオ猪木vsジュベール・ジャラ・ペールワン」の試合は、映像が残っていないと言われ、東スポ、プロレス誌等の報道も極めて少ない「幻の異種格闘技戦」でした。
試合前の両者
ところが試合が行われてから30年ものちの2010年に突如パキスタンからYoutubeにアップされ、猪木プロレス・異種格闘技戦ファンの間で話題になりました。当時この映像を受けて、ブログなどでこの試合の感想や考察が数多く書かれていました。「流星仮面二世」さんのブログとかは読み応えがあります。私もこの貴重なビデオをYoutubeで視聴し、PCにもダウンロードして保存していました。
パソコンのファイルを整理しながらこのビデオを見つけて久しぶりに視聴してみました。10年前に初めて見た時、率直に言えば「盛り上がりのない、つまらない試合だな」という感想しかありませんでした。ただし、「幻の映像が遂に・・・」という意味では貴重な映像だなと思って保存していました。
当時の闘魂タオルはブルーでしょうか?
10年振りに見ても確かに首相撲からの押し込み合いばかりで退屈な攻防に終始していますが、よく見てみると「なかなか面白いポイントもあるな」と感じます。特にプロレス的な攻防が見られるのは、1ラウンド目。この試合は「異種格闘技戦」と伝えられていますが、アントニオ猪木が下から倒立して仕掛ける足を使ったネックロックなどは、プロレスの攻防そのものです。
まさにプロレスの攻防
このほかにも、アントニオ猪木から、エルボー、アリキックなども仕掛け、また相手に隙を与えて攻撃を促すようなシーンも見られます。また、ゆるいロープで場外に転落しそうになるシーンも。なんとかプロレスを成立させようとする猪木ですが、ジュベールがプロレスに慣れておらず攻めあぐねているようです。次第に攻防が少なくなり、2ラウンド目の後半から最終5ラウンドまでは、ひたすら猪木が相手の圧力を受け流し、自らは攻めに行かない展開です。ジュベールは攻め方を知らないものの力は強いので、猪木としても「無理矢理仕掛けてもプロレスにならない」と感じたのでしょうか?。猪木の積極性が見られるのは第1ラウンドのみです。
ガードポジション
退屈な攻防の中にも猪木のガードポジションなど見所も。総合格闘技がメジャーになる10年以上も前なのに、すでにしっかりと型になっている(素人にはそう見える)ところなど、やはり猪木の天賦の才能を感じさせます。
歓喜のリング上
この試合結果は5ラウンド戦ってドロー。しかし、試合後に猪木が「He is a winner」とジュベールの手をあげたので、リング上も観客も蜂の巣をつついたような大騒ぎになり、歓喜に包まれている様子が映っています。
放送席で話すレフリーのバーナードさん
この放送は現地語と思われるコトバで実況されているので、「イノキ」「ジュベール」「ネックロック」・・・程度の単語がたまに聞き取れる程度です。意味はわかりませんが、雰囲気としては試合を盛り上げてくれています。それでも試合終了後にレフリーが放送席に招かれてインタビューされる部分のみがなぜか英語なので、なんとか聞き取れる部分もあります。
放送席にレフリーを招いて、実況アナウンサーが
「それでどっちが勝者なの?」
と質問すると、レフリーは
「試合は5R闘って引き分けだが、イノキがジュベール・ジャラの手をあげて“He is a winner”と言った。イノキがジュベールの勝ちを認めた」
と答えています。これを受けて実況は
「勝者はジュベールです」
と伝えています。現地的にはまあ、これでOKでしょう。
しかし、映像がこんな感じで乱れているのです。
さて、このビデオですが、40年前の映像と言うことで「白黒」なのは仕方ありませんが、途中で映像が激しく乱れている部分はちょっと残念です。途中、約2分40秒間、最も見づらい乱れが続きます。こういう映像を見てしまうと「修正」したくなっちゃうんですよね。
この部分を切り出して全フレームを静止画像にして、ノイズ画像を正常画像に差し替えた結果、なんとか見れる映像になりました。もっと時間があれば細かい映像の乱れも修正したいところですが、さすがに自己満足だけなので諦めました。それでもまあまあいい感じに修正できたビデオをYoutubeにアップしてみました。(2021年12月追記:ところがアップしたまま1年以上放置していたところ、アカウントを停止されちゃいました。他の人が再アップしてしていますので、そちらのリンクを紹介しています)興味のある方はご覧下さい。
この構図、アクラム・ペールワン戦を思い出す
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元気ですかー!
— アントニオ猪木 (@Inoki_Kanji) March 23, 2020
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コロナもノックアウト
うがい手洗いを必ずしよう!
いくぞ!1・2・3・ダァーッ! pic.twitter.com/fmlhpsWaSz
動画サイトへの投稿など、それこそ10年振りなのですが、いまではこんな長時間の動画が誰でもアップできるのですね。ユーチューバーになろうかなぁ。
弓を引くナックルの切り絵。猪木さんの鬼気迫る表情が伝わるすごいクオリティ。額縁に入れて飾らせて頂きます!#アントニオ猪木 pic.twitter.com/XqVpxZD0T4
— ダゼー・ファンク Jr. (@dazeyfunkJr) March 13, 2020