猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯(宝島社)
「猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯(宝島社)」を読みました。
最初の1ページ、まだ本題には入っていない序文「はじめに」でいきなり“猪木信者とは何か?”、それは「呪われた人たち」と表現されれば、確かにその通りかも。ただ「呪い」とは、意味する範囲はあまりにも広範で不可思議な事象です。まさに「猪木」そのものかも?
■はじめに(ターザン山本)
「すべては猪木というレスラーのせいだ。これはもはや呪われた世界といってもいい。この呪いは一生、解かれることは無い。完全に鍵がかかってしまった状態。しかもそこにマスターキーの存在はない。おそらく世の猪木ファンはみんな私と同じ心境にあるはずだ。・・・・猪木の死後も我々に呪い、宿命といってもいい」
もうすでにプロレスをやっていないアントニオ猪木の一挙手一投足が、なぜこんなにも気になるのか。なぜ未だに40年も前の試合を何度も繰り返し見てしまうのか。そうか「これは“呪い”だったんだ」と序文で納得させられました。しかし「呪いとは何か?」という底なし沼に・・・。
■アントニオ猪木のインタビュー
1987年3月26日、大阪城ホールの暴動について
「海賊男?何が起きたかなんてもう覚えちゃいませんよ。ただ、損害賠償でずいぶんなお金を払ったことは覚えています。大阪城 ホールには2000万ぐらい払ったみたいですよ。蔵前国技館でもお客さんが暴れてお金を払いましたけどね」
1999年1月4日、東京ドームの橋本vs小川戦について
「俺から言わせれば、それぞれお互いが突っぱねていたから、やることやればいいじゃん!っていう話で、そんなに難しいことは考えてない。一寸先はハプニングじゃないけど。よくシナリオがあってどうのこうのっていわれるわけでしょ。どんなものだってシナリオはあるだろうけど、そんな見え透いたシナリオじゃ面白くないだろう?ってだけの話。評価するかしないかは別にして、あの試合もその後のことは覚えてないんですよ」
とっても「ひとごと」って感じがアントニオ猪木らしいですね。プロレスの試合について当事者自身はそれほど覚えておらず、ファンの方が詳しく知っているものでもありますが。このインタビューで出てくるのが、ひとつの猪木イズム、“後は野となれ山となれ”。会場の観客もテレビの前の観客も先が読めないからこそ夢中になれたのだと思います。最後がノーコンテストでも、放送に入りきらなくても、そんなことは関係ないんですよね。
何が起こるかわからないことこそがファンの興味を引きつける、そのことを無意識に知っていたのがアントニオ猪木だったのだと思います。
■藤波辰爾のインタビュー
「テレビ中継がある時は控室にモニターがあって会場が映ってるでしょ。猪木さんはそのモニターをチェックするんですよ。それで少しでも空席が映っていたら『あそこに空席があるぞ!あそこを埋めろ!』って、お客さんを移動させたりして、テレビが映るところには空席はいっさいつくらないようにしていた。そのくらいテレビに対しても神経を尖らせてたから」
やっぱりそうだったのかと納得しました。最近古いビデオを見て気が付いたのですが、アントニオ猪木のコーナーはシングルでもタッグでも必ず画面奥で正面に顔が見える位置です。そして、4人タッグでも6人タッグでも猪木の立ち位置はカメラ正面向き。徹底したこだわりのテレビ戦略だなと感じていました。
■前田日明のインタビュー
「俺はいまだに猪木さんと面と向かって何かを話す自信がないんだよね。だからもし会ったとしても何を話すのか・・・・時には対立する場面もあったけど、子は親が間違っている時にはもの申してもいいんですよ。俺はアントニオ猪木の子供だから文句を言う資格がある。・・・・今でもアントニオ猪木の悪口を言うヤツがいたらぜったに許さない」
相変わらず言いたい放題の内容ですが、全体を通して前田日明の純粋さが感じられ、引用した部分からは前田の中にいる“アントニオ猪木”の存在の大きさがわかるインタビューです。
さらにインタビューは
佐山聡/藤原嘉明/蝶野正洋/武藤敬司/藤田和之/グレート小鹿/北沢幹之/天龍源一郎/石井和義/大仁田厚/サイモン・ケリーと続きます。
決してアントニオ猪木を褒めちぎってもいなければ、貶めてもいない内容です。
そして猪木の輪郭がなんとなく見えて来ますが、結局「猪木とは何か?」は解るはずもないことが解る本です。読み応えがありました。
アントニオ猪木とはいったい何者なのか
佐山聡、前田日明、武藤敬司、蝶野正洋、
天龍源一郎ら因縁の13人が証言する
“燃える闘魂”の光と影
そして、猪木自身にもインタビューを敢行!
舌出し失神、1・4事変、UWF、新日本身売り……
プロレス界「最大の謎」を猪木本人に問う!!
■はじめに - ターザン山本
■第1章プロレス界「最大の謎」を猪木本人問う!
アントニオ猪木
「猪木イズムを次の世代に繋ぎたかった……」
■第2章猪木・最盛期「昭和」の弟子たち
佐山聡
「タイガーマスクとは猪木イズムの結晶です」
前田日明
「度胸のある猪木さんは、生粋のギャンブラー」
藤波辰爾
「8・8横浜で、僕は猪木さんを蘇らせた」
藤原嘉明
「今でも猪木さんのためなら腕一本ぐらいは」
■第3章 猪木・現役晩年「平成」の弟子たち
蝶野正洋
「猪木さんがタニマチに仕掛けてる」
武藤敬司
「都知事選不出馬から、猪木さんの美学が崩れた」
藤田和之
「会長にドスの利いた声でいわれ……」
■第4章新日本・前夜“若獅子”時代を知る男たち
グレート小鹿
「馬場さんより猪木さんのほうが何枚も上手」
北沢幹之
「東京プロレス移籍」「日プロ復帰」の真相
■第5章外部から見た“燃える闘魂”の実像
天龍源一郎
「大金を積まれても、やるつもりはなかった」
石井和義
「猪木さんはプロレスに興味がないように見えた」
大仁田厚
「猪木さんにいちばん嫌われた人間が俺ですよ」
特別インタビューサイモン・ケリーが語る
アントニオ猪木と「新日本・暗黒時代」の真実
■アントニオ猪木 1943-2019完全詳細年表
プロレス雑誌の表紙集のギャラリーページも見てね。
ツイッター twitter も見てね。
サイト内検索ボックス
こんな試合あったんですね~🤪https://t.co/jP7mOYEJMG
— Andreae Vesalii (@katakazukazu) March 28, 2020
すごーい!😲
— こめちゃん🇮🇳 मुंबई में चंकोमे (@chankomeppy) March 27, 2020
1990年から一度も見られていない絶滅危惧のマラバーシベット?が、ロックダウン中のカリカットの街に現れたそうです!🐅
ロックダウンで大気汚染も解消されたし、これを機に環境問題に真剣に向き合う人が多くなるといいね! https://t.co/YvhXgaAJUF